第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C28
高齢で発症したアレルギー性気管支肺カンジダ症の一例国立病院九州医療センター呼吸器内科・臨床研究部
○堤 礼子、斎藤聖子、富岡竜介、橋本亘
西本 光伸、矢野敬文
久留米大学第一内科
大泉耕太郎
症例は85才女性。喘息の既往なく、1999年9月25日より咳、痰が出現し近医を受診。感冒薬、抗生剤の投与を受けたが改善せず、1999年10月6日当科紹介受診。末梢血好酸球 49.8%と好酸球増多を認め精査目的にて10月8日入院となった。入院後は早朝の咳込みが持続し、メサコリン吸入後に喘鳴、呼吸困難を生じ、1) 喘息症状があるものと考えられた。加えて、2) 血清好酸球 29.5%と上昇、3) カンジダに対する即時型アレルギー反応陽性、4) カンジダ抗原に対する沈降抗体陽性、5) IgE 3645 U/mlと上昇、6) 胸部X線で肺浸潤影、 7) 胸部CTにて中枢性の気管支拡張症を認め、 Rosenbergの診断基準の7項目を満たし, アレルギー性気管支肺カンジダ症 (ABPC)と診断した。トシル酸スプラタスト 300mg、テオフィリン 200mg、イトリコナゾール 200mg にて加療を行い、現在末梢血好酸球数、喘息症状は軽快傾向にある。高齢者にみられた ABPC の発症について考察した。 |
受付番号:P060