第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B11
ロイコトリエン拮抗剤(ブランルカスト)が原因と考えられた薬剤誘起性肺臓炎の一例国立療養所南福岡病院
○高橋直嗣、岩永知秋、藤瀬 茂、岸川禮子
池田東吾、庄司俊輔、西間三馨
九州大学胸部疾患研究施設
古藤 洋、原 信之
国立療養所福岡東病院 相沢久道
症例は62才、女性。50才頃から喘息様症状があり、近医にて加療。61才から、プレドニン 5mg/day の投与を受けているが、軽快傾向なく 10mg/day に増量しても軽快しないため、当院へ紹介入院となる。入院時、CRP(-)、ESR 2/8 と炎症所見陰性であったが、両肺野に著明な喘鳴を聴取し、PO2 57.9 と低酸素血症を認め、会話不能であった。気管支喘息発作と診断し、プレドニン (80mg/day)、キサンチン (250mg/day) を持続点滴にて開始したが、喘鳴、夜間咳嗽が消失しないため、ブランルカスト (450mg/day) を併用した。併用後10日目頃から微熱を認めたが、炎症所見は陰性。その後、喘鳴は軽快したため、プレドニン投与を中止したところ、両肺野にベルクロラ音が出現。胸部単純写真および胸部CTでも、両側肺野にびまん性のスリガラス陰影を認めた。薬剤性肺炎の可能性が否定できないため、ブランルカストを中止したところ、翌日から解熱し、胸部単純写真のスリガラス影も軽快していった。後日施行した DLST でもブランルカストは陽性であり、本薬剤による間質性肺炎と考えられた。 |
受付番号:P058