第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C14
空洞を伴う多発性浸潤影を呈した胆管癌肺転移の一例大分医科大学第3内科
○渡辺真美、杉崎勝教、沖田五月、松本哲郎、
重永武彦、宮崎英士、津田富康
症例は76歳、男性。主訴は咳嗽、喀痰、労作時呼吸困難。平成9年に胆管癌で膵頭十二指腸切除術をうけた。その後平成11年3月より上記症状が出現、また胸部X線の異常を認めたため精査加療目的で4月12日当科入院。入院時体温37.4℃で肺野の雑音なし。検査所見では胆道系酵素の上昇、CRPの上昇、CA19-9、SLXの上昇を認めた。動脈血ガスでPaO2 62 Torrと低酸素血症を認めた。胸部X線及び胸部CTでは両側びまん性に多数の空洞を伴う浸潤影が認められた。左B3より行ったTBLBで肺胞上皮癌様の発育を示す腺癌と診断された。その後肺野所見は次第に増悪し約4ケ月後に呼吸不全で死亡した。 胆管癌による肺転移では時に肺胞上皮癌類似の浸潤影を呈すなど特異な陰影を呈することが知られており鑑別診断上注意が必要である。 |
受付番号:P056