第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: C10

多発空洞を呈した尿管腫瘍の肺転移の一例

市民の森病院内科
○佐野ありさ、高谷 洋、中津留邦展
同 泌尿器科
 岩本 秀安
宮崎医科大学第三内科
 迎 寛、松倉 茂


 患者は80歳女性。平成11年7月の住民検診で胸部異常陰影を指摘され来院。発熱、咳嗽、喀痰などの自覚症状はない。胸部X線写真では全肺野に多発する空洞および腫瘤影を認めた。血液検査では炎症反応陰性で、CEA 8.6ng/ml、シフラ 33.6ng/ml、SCC 4.1ng/mlと腫瘍マーカーの高値を認めた。原発腫瘍検索の結果、膀胱鏡で膀胱内と左尿管に腫瘤を多数認めた。経尿道的腫瘍切除を行い、transitional cell carcinomaの診断を得た。肺内腫瘤に対する経気管支肺生検でも同様の組織所見であり、尿管腫瘍の肺転移と診断した。
 尿管腫瘍の肺転移で空洞を形成する例は稀であり、文献的考察を加え報告する。

受付番号:P052


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