第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C16
多発性肺腫瘤影で発見され胸腔鏡下肺生検で診断されたSilica nodulesの一例大分赤十字病院内科
◯吉松哲之
同外科 福澤謙吾
同放射線科 上野真一郎
症例は60歳男性.理容業.検診の胸部X線・CTで多発性肺腫瘤を指摘され、精査治療を目的として当院入院となった.当初転移性肺癌が疑われたが、頭頚部・腹部のCTでは癌病巣を検出できず上部下部消化管ともに異常なかった.CTガイド下の肺腫瘤針穿刺細胞診では良性悪性の鑑別困難で経気管支的肺生検で腫瘤に到達できかった.過去(平成7年)の検診フィルムに同様の多発性結節影が認められ、良性肺腫瘤を考えたが、クリプトコッカスや結核腫の可能性が否定できず、胸腔鏡下肺腫瘤切除術を実施した.その結果、内部に石灰化を伴う均質な無構造物質を主体に周辺をリンパ球や異物巨細胞が層状に取り巻く異物肉芽腫の組織構築を示し、silica noduleと合致していた.病歴で当初は確認できなかったが、17歳頃にトンネル工事に数ヵ月従事した経験があったことが後日判明した. |
受付番号:P050