第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: C06

小脳失調症状を契機に発見された原発不明肺門リンパ節小細胞癌の1例

熊本大学第1内科
○尾崎 徹、佐々木治一郎、森山英士、
 坂本 理、松本充博、興梠博次、菅 守隆
 安藤正幸


 症例は76才男性。平成11年2月より歩行障害出現し、同年8月原因不明の小脳失調症と診断された。精査時に右肺門リンパ節腫瘤を指摘され、胸腔鏡下右肺門リンパ節生検施行。小細胞癌(cT0N1M0)と診断し、化学療法2クール(CBDCA+VP-16)・放射線療法(計59.6Gy)の同時併用療法を施行し、45%の腫瘍の縮小をみた。小脳失調症は臨床的には腫瘍随伴症候群と考えられたが、Hu・Yo・Ri各自己抗体は全て陰性であり、治療後も症状の改善を示さなかった。
 文献的には原発不明肺門縦隔リンパ節癌の約40%はoccult primary lung cancerであるという報告もあり、本症例も肺原発である可能性が強く示唆された。

受付番号:P045


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