第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: C04

気管支鏡にて経過を追えた再発性多発性軟骨炎の一例

北九州市立医療センター呼吸器内科
○中島信隆、尾崎真一、川崎雅之
 藤田昌樹、松崎義和
同 病理 豊島里志


 再発性多発性軟骨炎は1960年に Pearson らによって命名された疾患で、全身の軟骨組織およびムコ多糖を多く含む組織を系統的に侵し寛解と再発を繰り返しながら、耳介、鼻骨の炎症および変形、咽頭炎、気管支炎、眼症状、関節痛、発熱などの多彩な臨床像を呈する疾患で、原因として自己免疫機序や酸性ムコ多糖代謝異常などが考えられている。
 今回我々は気管軟骨の変形を呈し、気管支鏡にて経過の追えた再発性多発性軟骨炎の一例を経験したので報告する。
 症例は67歳男性。1997年7月頃より出現した胸部痛、咳嗽を主訴に来院。同様の症状を繰り返していることおよび画像上肋軟骨の融解を認めることから再発性多発性軟骨炎が疑われた。気管支鏡検査にて気管、気管支に軟骨隆起を多数認め、同部位よりの生検を施行し、本症と診断した。治療として Predmisolone 40mg/日より開始し、臨床症状と CRP を指標に漸減したが、経過中、数回施行した気管支鏡検査にて気管軟骨の破壊の進行を観察したので報告する。

受付番号:P042


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