第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B04
右下葉術後間質性肺炎を合併した1例宮崎医科大学第2外科
○二宮浩範、松崎泰憲、枝川正雄、
前田正幸、清水哲哉 市成秀樹、
原 政樹、中村都英、関屋 亮、鬼塚敏男
[背景] 肺切除術後に発生する間質性肺炎は時に致命的となりうる重大な合併症である.今回、右下葉肺癌の根治手術後に間質性肺炎が出現した症例に対してステロイドパルス療法を施行し良好な結果を得たので報告する. [症例] 67才男性.右下葉肺癌にて右下葉切除術および2a群リンパ節郭清を施行した.術後診断はT1N2M0であった.術後5日目に胸写上右上肺野の透過性低下を認めたが、呼吸状態は良好であり、経過観察していた.術後9日目に胸写上陰影が増悪したため胸部CT検査を施行し両上肺野を中心にスリガラス状陰影を認め、間質性陰影と判断した.薬剤誘発性間質性肺炎を疑い同日から使用薬剤を中止しステロイドパルス療法を開始した.開始3日目には胸写上改善を認め、以降ステロイド内服維持療法を施行した.治療開始後19日目の胸部CT検査では、間質性陰影はほぼ完全に消失していた.原因検索のために施行した使用薬剤のリンパ球刺激試験は全て陰性であった.KL-6は経過中正常範囲内であった.LDH,CRPの変化も病態の推移を示しているとはいえなかった. [まとめ] 各種検査にて異常所見を認めない術後間質性肺炎の1例を経験した. |
受付番号:P039