第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: D08

気管支内放線菌症の一例

新日鐵八幡記念病院呼吸器科
○堀内康啓、伊藤寿朗、日高孝子
 宮崎直樹、小野山薫


 症例は、63歳女性。主訴は乾性咳嗽と呼吸困難。現病歴では平成10年頃より乾性咳嗽、夜間の喘鳴が出現し、近医にて気管支喘息と珍断され、経口キサンチン製剤、ステロイド吸入、去痰剤の内服治療をうけるも改善しないため平成11年11月16日当科外来受珍した.胸部にて左側を中心に乾性ラ音を聴取した。胸部Ⅹ線像では、左主気管支透亮像の狭小化と胸部CTにて左主気管支壁の肥厚並びに左肺血管影の減少を認めた。気管支鏡検査にて左主気管支より上葉気管支入口部にかけ白色の隆起性病変を認め、生検にて気管支内放線菌症と診断された。肺動脈造影にて、左上肺動脈は描出されなかった。ABPC/SBT 点滴静注を開始し自覚症状の改善を認めたが、現在も外来にて加療継続中である。
 以上、気管支内放線菌癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する.

受付番号:P034


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