第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C09
骨症状で発見された肺癌の臨床的検討鹿児島共済会南風病院呼吸器科
○野口明美、龍野 恵、井上大栄、森 広安
同院整形外科
川内義久
鹿児島大学医学部附属病院第一内科
山口昭彦、鄭 忠和
[背景] 肺癌は骨症状を初発として診断されることも少なくない。今回、骨症状を初発とした肺癌症例について臨床的検討を行った。 [対象] 平成4年6月から平成12年3月まで骨症状で整形外科を受診し、その後肺癌と診断された10例(男性4例、女性6例、43歳~79歳、平均年齢67歳)である。 [結果] 初発症状は骨、関節痛が8例、麻痺が2例であった。胸部X線写真での陰影の指摘は3例で困難であり、胸部CTが有用であった。骨生検は4例に実施、全例で病理診断が得られた。気管支鏡検査は7例に実施、3例で陽性所見を得た。症状出現から肺癌診断までの期間は1~11ヶ月で平均3.7ヶ月であった。組織型は 5例が腺癌、1例が扁平上皮癌、1例が小細胞癌、3例は不明であった。ALPは全例で測定し、5例が高値を示した。また、1CTPは測定した4例では高値(9.5~19.7)であった。8症例の生存期間は5日~2年5ヶ月、平均8.4ヶ月であった。 [結語] 骨症状を初発とする肺癌の診断には時間を要していた。骨症状が改善しない症例では肺癌を疑い、早期に胸部CTの実施、および1CTPの測定が必要である。 |
受付番号:P031