第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: D17
希な非定型抗酸菌症の2例国立療養所東佐賀病院内科
○千布 節、犬山正仁、小江俊行、谷川博美
近年の肺結核の減少に比し、非定型抗酸菌症の増加が指摘され約90%が M.avium-cellulare complex (MAC) 症で、5%が M.kansassii、その他が5%程度と報告されているが、昨年希と思われる M.scrofulaceum と M.szulugai 症の各1例を経験したので報告する。 [症例1] 62歳、男性、8月2日の住民検診で胸部異常影を指摘され10月28日近医を経て紹介入院となった。入院時 WBC 8,000、CRP 1.9mg/dL、ESR 81mm/h、FBS 123mg/dL、ツ反 12×15mmで胸部レントゲンでは右上肺に空洞を伴う浸潤影を認めた。抗酸菌塗抹は喀痰、気管支洗浄液とも陰性だったが後日培養で M.scrofulaceum と判明した。 [症例2] 62歳、女性、2年前に肺炎の既往があったが今回は10月末ころから咳嗽が増強し近医を受診、胸部異常影を指摘され気管支洗浄液からG(2)が検出され12月3日紹介入院となった。入院時 WBC 6,000、CRP 0.4mg/dL、ESR 68mm/h、FBS 117mg/dL、ツ反 14×17mmで胸部CTでは右下葉に空洞を認め中葉に嚢状変化を認めた。抗酸菌は喀痰塗沫でG(10)で培養で M.szulgai と同定された。 症例1、症例2とも INH、RFP、EBにて陰影の改善を認めている。 |
受付番号:P030