第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: D09
興味ある画像を呈したPneumocystis carinii pneumoniaの1例久留米大学第一内科
○吉本美華、澤亜希子、渡邊尚、一木昌郎
古賀丈晴、白石香、木下正治、力丸徹
大泉耕太郎
症例は83歳の男性で1999.7月より貧血指摘され 9月、当大血液内科にて骨髄異型性症候群と診断されプレドニン25mg/dayを開始した。11月中旬より咳・痰が出現し、近医受診し抗生剤・去痰剤にて一時的に症状軽快したが徐々に増悪傾向にあった。12/1 Chest X-rayにて左下肺野に壁の薄い嚢胞を認め、12/6精査加療目的にて入院となった。Chest X-ray・CT上は比較的壁の薄い境界明瞭な嚢胞を多発性に認め、経過とともに増大傾向にあった。喀痰(PCR法)でpneumocystis carinii陽性となったためPneumocystis carinii pneumoniaと診断した。治療として ST合剤を240mgx3投与したところ、Chest X-ray・炎症所見ともに改善傾向を呈した。 典型的なPneumocystis carinii pneumoniaの画像は肺門周囲から始まり急速に広がる淡い斑状・網状影であるがその他にも多彩な陰影を呈することも知られている。今回我々の経験した症例では多発嚢胞を呈しており画像的に貴重な症例と考え多少の文献的考察を加えここに報告する。 |
受付番号:P028