第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: B02

鳩による慢性過敏性肺炎の一例

大分医科大学第3内科
○村松知子、宮崎英士、渡辺真美、
 濡木真一、沖田五月、重永武彦、
 松本哲郎、杉崎勝教、津田富康


 症例は61歳の女性。屋外に常に鳩がいる職場に10年来勤務しており、5年前に検診にて間質性陰影を指摘されたことがある。2年前より乾性咳嗽が出現し、2ヵ月前より労作時息切れが出現したため当科を受診した。理学所見では、バチ状指を認め、両下肺に fine crackle、上肺で squawk を聴取した。胸部X線では両中下肺野に線状網状影を認め、胸部CTでは、気管支周囲から胸膜下に病変を認めたが、肺底部には病変は軽度であった。検査成績では、KL-6の軽度上昇、拘束性換気障害(%VC 59 %)を認めた。BAL では、リンパ球 26%(CD4/8比 3.70)、好中球 24%で、TBLB で線維化、胞隔炎、マッソン体を認めた。入院後は無治療で経過観察し、咳嗽、息切れは徐々に軽快したため、過敏性肺炎を疑い、鳩血清に対する沈降抗体、リンパ球刺激試験、吸入誘発試験を行い、全て陽性であったため、鳩による慢性過敏性肺炎と診断した。プレドニン 30 mg/日を1ヵ月間投与し、肺機能、血液ガス、胸部画像所見は軽度ながら改善した。

受付番号:P027


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