第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: D12
胸水PCR陽性が診断根拠となった肺レジオネラ症の2例北九州市立門司病院呼吸器科
○廣瀬宣之、金 民姫、安藤恒二、松木裕暁
前放射線科 坂井修二
[症例1] 54歳男、水道局事務。アルコール性肝障害の既往。喫煙多し。1996年5月、咳、咽頭痛、発熱、胸痛、呼吸困難。ESR 80mm、WBC 13,200/μL、CRP 9mg/dL。血清レジオネラ抗体 (-)。左胸水;ミルクココア状で粘稠な滲出液。好中球多し。一般細菌(嫌気性菌を含む)・抗酸菌培養 (-)。レジオネラ培養 (-)、レジオネラ PCR (+)。 [症例2] 61歳男、上水道関係の事務。尿糖 (+) の既往。飲酒、喫煙多し。98年5月、全身倦怠感、発熱、右胸痛、血痰。ESR 116mm、WBC 8,200/μL、CRP 31mg/dL。血清レジオネラ抗体 (-)。喀痰レジオネラ培養 (-)。右胸水;フィブリンの析出が著しい滲出液。好中球多し。細菌培養 (-)。レジオネラ培養 (-)、レジオネラ PCR (+)。 2症例とも RFP/EM 開始を機に軽快した。 レジオネラ症の確定診断に重視される血清抗体価の病初期における陽性率は低い。そこで、胸膜炎併発率の比較的高い本症の胸水レジオネラ PCR は病初期の診断に寄与するところ大だと思われる。 (産業医科大学微生物学教室:谷口初美、宮本比呂志 両先生の協力をえた。) |
受付番号:P026