第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B09
インフルエンザ感染を契機に増悪したと疑われる間質性肺炎の一症例宮崎市郡医師会病院内科
○京楽由佳、床島真紀、沼田政嗣、
山田深
宮崎医科大学第3内科
松元信弘、迎寛、松倉茂
症例は82歳、女性。2000年1月下旬より発熱と全身倦怠感が出現した。呼吸困難も自覚するようになり、増悪したため同年2月11日に当科を受診した。室内気でPaO2 26.5Torr、PaCO2 29.0Torrと著明な低酸素血症を認め、両背側下肺野にfine crackleを聴取した。胸部単純X線写真、胸部CTで両肺野にびまん性に間質影を認めた。血液学的検査では白血球数 9200/μL、LDH 1304IU/ml、CRP 16.5mg/dlであった。気管支鏡検査で右中葉より気管支肺胞洗浄を施行したところ、細胞数は増加していなかったが、好中球とリンパ球分画が増加していた。抗核抗体 640倍、抗セントロメア抗体 105indexであったことから、基礎疾患として膠原病の関与も疑われたが臨床症状はなかった。特発性間質性肺炎あるいは膠原病関連肺病変の急性増悪と考え、ステロイドパルス療法、抗生剤、免疫抑制剤を投与したが、治療に反応せず、2月22日に死亡した。インフルエンザウイルスAシドニーIgGが1024倍と上昇しており、インフルエンザウイルス感染が間質性肺炎の急性増悪に関与したものと考えられた。 本例は剖検を行ったので、病理学的検討を加えて、報告する。 |
受付番号:P024