第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C23
慢性関節リウマチに併発し、長期に遷延しているテガフール・ウラシル配合剤による間質性肺炎の一例北九州市立門司病院呼吸器科
○廣瀬宣之、金 民姫、安藤恒二、松木裕暁
症例は59歳の主婦。45歳で慢性関節リウマチ (RA) を発症し、以降14年間、金チオリンゴ酸ナトリウムの投与を受けてきた。 平成9年6月直腸癌の手術後、カルモフール 300mg/日(肝障害 [AST 152,ALT 224 IU/L] 出現により総量 600mg で中止)とテガフール・ウラシル配合剤 2.0g/日(テガフールとして 400mg/日、食欲不振により総量 20g で中止)を服用。8月末よりびまん性肺病変が出現。抗生剤に反応せず増悪するため、9月当科を紹介された。 初診時、WBC 18,400/μL、CRP 19mg/dL、PaCO2 32mmHg、PaO2 48mmHg、RF 119 IU/mL。即日、ステロイド療法(パルスに続きプレドニゾロン 1mg/kg より漸減)を開始。治療前の TBLB像には器質化肺炎を伴った間質性肺炎の所見がみられた。ステロイド減量中に3度、肺病変の再燃がみられ、その都度ステロイド増量に反応した。10年7月(プレドニゾロン 7.5mg/日)時点でのテガフール・ウラシル配合剤による DLST は陽性であった。 12年4月、いまだに肺病変が燻りステロイドを終了できないのは、RA が関与しているからかもしれない。 |
受付番号:P022