第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: D18

非結核性抗酸菌症治療後に肺結核症を発症した一例

国立療養所南福岡病院
○福留克行、豊村研吾、谷口哲夫、古藤 洋
 岸川禮子、池田東吾、鶴谷秀人、西間三馨


 我々は非結核性抗酸菌症の治療後に肺結核症を発症した一例を経験したので報告する。
 症例は女性で、平成4年5月頃(65歳)に咳嗽が出現し、前医を受診。9月には胸写上異常陰影が認められ、当院紹介受診となった。OFLX の投与にて症状は改善していたが、11月の喀痰検査にてガフキー1号を検出し、入院の上 INH+RFP による治療を開始した。その後同定検査にて M.avium complex と判明したが、以後 INH+RFP+EB による治療で経過は良好であった。平成6年3月に抗結核剤を中止したが、以後症状は落ち着いていた。平成9年2月気胸で入院治療。8月(70歳)、咳嗽・発熱が出現し再入院となった。入院時の喀痰検査でガフキー8号、PCR 検査にて M.tuberculosis 陽性であったため結核病棟に転棟した。INH+RFP+PZA+CAM による治療を開始した。培養同定でも M.tuberculosis であり、耐性は認められなかったが、12月まで培養陽性であった。以後増悪なく経過している。

受付番号:P020


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