第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: B22

発熱と肺浸潤影が繰り返し認められた骨髄異形成症候群関連肺病変と考えられた1例

大分医科大学第2内科
○三戸克彦,緒方正男,山上由理子,山形英司,
 山崎 透,平松和史,大塚英一,永井寛之,
 菊池 博,那須 勝


 骨髄異形成症候群(MDS)の経過中に発熱と肺浸潤影が繰り返し認められたMDS関連肺病変と考えられた1例を経験したので報告する.症例は69歳女性でMDSの経過中に発熱と肺浸潤影を主訴に入院となった.入院7日目より発熱,咳嗽が出現し,白血球数の増加とCRPの上昇が認められた.胸部X線写真で,右中下肺野に浸潤影が出現したため抗菌薬の投与を行ったが改善なく,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄(BAL)液では総細胞数の増加と細胞分画ではリンパ球,好中球の増加が認められた.気管支肺生検では,気管支上皮下に壊死を伴った好中球の集簇を認め,好中球とリンパ球浸潤による肺胞壁の肥厚が認められた.BAL液,喀痰,血液,尿,骨髄の一般細菌,抗酸菌,真菌は陰性であった.MDSに関連した間質への好中球浸潤による肺病変と診断し,副腎皮質ステロイド薬投与による治療を行い,軽快した.
 MDSに関連すると考えられる間質性肺炎で,病理組織学的検索が行われた報告は,我々が検索した範囲では7例しかなく,若干の文献的考察を含めて報告する.

受付番号:P018


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