第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: D25

全身の多彩な合併症を有し、肺にMicronodular pneumocyte hyperplasia・Lymphangiolyomyomatosisを認めた結節性硬化症の1例

佐賀医科大学
○小林弘美、河島通博、富永正樹、福岡麻美、
 八並 淳、青木洋介、林真一郎


 症例は44歳女性。平成11年3月に左側腹部痛、腰痛精査のため当院入院。両側腎血管筋脂肪腫(AMLs)と診断、腎腫瘍栄養血管塞栓術を施行した。顔面の皮脂腺腫・爪のKoenen腫瘍・頭部MRIにて側脳室壁に沿った石灰化を認め、結節性硬化症と診断した。
 胸部X線写真にて両肺び慢性の小粒状影、さらに胸部CTにおいて直径1~3mmの多発する小粒状影・多発性の嚢胞性病変を認めたため、確定診断・治療方針の決定目的に胸腔鏡下肺生検を施行した。病理組織学的には直径1~3mmの多発結節を認め、その結節は良性のII型肺胞上皮より構成されており、HMB-45陰性であったため、micronodular pneumocyte hyperplasia (MNPH)の病理診断を得た。少数ではあるが平滑筋の集束も認め、lymphangioleiomyomatosis (LAM)も併発していることが判明した。
 結節性硬化症に全身の多彩な合併症を認め、さらに肺病変としてMNPH・LAMを併発した稀有な症例を経験したので報告する。

受付番号:P017


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