第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: B16

喫煙開始一週間後に発症した急性好酸球性肺炎の一例

公立玉名中央病院内科
○佐藤英明、木山程荘、牛島正人、岡本紀雄
 佐藤賢文、藤本尚子


 症例は18歳男性。以前に数回の喫煙経験があった。一週間前より本数が増加し、連日喫煙するようになった。2日前より発熱、咳、呼吸困難が出現し、1日前より左胸部痛出現し当科受診した。末梢血の白血球上昇(好酸球正常)、CRP上昇と低酸素血症を認めた。胸部X線上は両中下肺野を中心にび漫性にすりガラス状の浸潤影を認め、kerley Bラインを伴っていた。胸部CTでもすりガラス状の肺野濃度の上昇、小葉隔壁の肥厚像が認められた。気管支肺胞液所見では好酸球の著増をみた。その他感染症を疑う所見に乏しく、急性好酸球性肺炎と診断した。酸素投与のみで経過観察し、入院5日目には完全に症状消失し、低酸素血症も改善した。末梢血の好酸球は23%に増加していた。禁煙を指導し、喫煙による誘発試験は行わなかった。
 近年、喫煙が原因と考えられる急性好酸球性肺炎の報告例は増加しており、今回の症例も同様と考えられるが、その報告とその文献的考察を行った。

受付番号:P011


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