第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C07
Endobronchial Ultrasonography (EBUS)にて病変部位を確認しえた肺癌再発の1例国立療養所再春荘病院呼吸器科
◯白川妙子、前田淳子、今村文哉、濱本淳二、
本田 泉、福島一雄、杉本峯晴、直江弘昭
[症例] 50歳、女性。 [主訴] 血痰。 [既往歴] 41歳、肺癌(腺癌)のため右中葉、左下葉切除術(重複癌)。49歳、乳癌のため右乳房切除術。 [現病歴] 1998年9月より血痰が持続するため、気管支鏡施行。右中葉断端よりの出血を認め、同部位の生検の結果class IV, 腺癌であった。胸部X線単純写真、胸部CTでは、過去2回の術後変化も加わって、病変の範囲の同定は困難であった。外来にて約半年間経過観察したが血痰が持続するため、1999年3月、気管支鏡ならびにEBUSを行った。内視鏡所見は前回とほぼ同じであったが、EBUS上、右下葉支周囲に径7mm前後のリンパ節を認め、病変部位と思われた。CTではこの病変を明確に同定することはできなかった。入院の上、計60Gyの放射線体外照射を行った。その後もEBUSを用いて経過観察を行った。 EBUSは気道の周囲を半径2-3cmの範囲で詳細に描出でき、肺癌の深達度、気道への浸潤の程度、リンパ節や縦隔病変を知る上で有用な検査法として最近注目されている。本症例でも、CTなど従来の方法では診断が困難であった病変を描出でき、治療法の選択および経過観察に有用であった。 |
受付番号:P008