第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: C27
高濃度ケトプロフェン含有湿布剤の使用時のみ発症したアスピリン喘息の1例球磨郡公立多良木病院呼吸器科
○江崎紀浩、柏原光介
アスピリン喘息(AIA)はアスピリンを含むNSAIDs剤の投与により発症する致死的喘息発作である。ケトプロフェンは湿布剤に使用される代表的なNSAIDsであるが、今回、我々は高濃度ケトプロフェン含有湿布剤の使用時のみ発症したAIAの1例を経験したので報告する。 症例は74才女性。約40年間の慢性副鼻腔炎・鼻茸およびAIAの既往を持つ。入院以前より0.3%ケトプロフェン湿布剤を使用しており、AIAを発症したことはない。上気道炎を契機とした喘息発作のため当院呼吸器科にて入院加療を行い、経過良好であった。入院中、2.0%ケトプロフェンテープ剤を肩に使用したところ、1時間後に同部位の灼熱感が出現し使用を中止したが、その1時間30分後に便失禁を伴う重積発作が突然出現した。人工呼吸器管理下に喘息の治療を行い20時間後には抜管できた。高濃度ケトプロフェン含有湿布剤だけに含有される添加物もAIAの原因として考えたが、はっきりしなかった。リンパ球刺激試験ではケトプロフェンのみが強陽性であり、AIA発作の原因として考えられた。 |
受付番号:P006