第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: B05

間質性肺炎(NSIP)が先行した多発性筋炎の一例

佐賀県立病院好生館内科
○垣内俊彦、高橋浩一郎、杉原 充、
 小柳孝太郎、宮本祐一
同病理
 山崎文朗、入江康司


[症例] 62歳男性。1997年3月に乾性咳嗽・呼吸困難(H-J III度)が出現し当科入院。胸部X線・CTにて両下肺野の間質陰影を認め、Gaシンチで両下肺野に集積を認めた。血液検査ではCPK・アルドラーゼとも正常、抗核抗体は陰性であった。胸腔鏡下肺生検にてNSIPと診断し、ステロイドパルス療法を施行後、プレドニンの内服治療を1mg/kg/日から開始し漸減した。約2年後プレドニンを5mg/day隔日内服まで減量した1999年4月に上下肢近位筋の筋痛及び筋力低下が出現した。CPK、アルドラーゼの筋原性酵素上昇、抗核抗体・抗Jo-1抗体陽性ならびに上腕部・大腿部からの筋生検にて多発性筋炎と診断した。間質性肺炎(NSIP)の増悪は認めなかった。プレドニン1mg/kg/日から開始し速やかに筋症状、筋原性酵素は正常化した。
[考察] PM/DMと間質性性肺炎の合併頻度は約30%とされている。NSIPは、1994年にKatzensteinによって提唱された概念でPM/DMとの合併例の報告も散見される。NSIPが先行した多発性筋炎の一例を経験したので、文献的考察を加え報告する。

受付番号:P005


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