第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: D16
Mycobacterium avium complexのリンパ球芽球化抑制作用について ~HTLV-I carrierとnon-carrierの比較~鹿児島大学第三内科
○松山 航、川畑政治、納 光弘
国立療養所南九州病院呼吸器内科
濱崎哲郎、溝口 亮、岩見文行
[はじめに] 我々はHTLV-I carrier(HC)における肺Mycobacterium avium complex(MAC)症がnon-carrier(NC)のそれと比して病変がびまん性でより広いことを報告した(Thorax in press)。しかしその理由は明らかでない。MACの菌膜成分であるGlycopeptidelipid(GPL)にはリンパ球の芽球化反応を抑制する働きがある。我々はGPLのリンパ球芽球化抑制作用にHCとNCので差がないか検討した。 [対象及び方法] 健常なHC6名とNC6名を対象とした。それぞれリンパ球を採取しphytohemagglutininにて芽球化させた。薄層クロマトグラフィーを利用してMACよりGPLを抽出した。GPLを加えた場合と加えなかった場合でのリンパ球の芽球化率をAlmar Blueを用いて測定し、GPLを加えた場合どの程度抑制されたかHCとNCで比較した。 [結果] HCのリンパ球の芽球化反応はGPLによってNCのそれより有意に抑制された。 [まとめ] GPLのリンパ球芽球化抑制作用はHCのリンパ球にはより強く働き、このことがHCでの肺MAC症の病変がより広範であることの理由の一つである可能性が示唆された。 |
受付番号:P001