医局員の声

医局の先輩からのメッセージ

高梨 さやか(平成12年入局):東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻 発達医科学教室
「日本と世界の子どものために働ける医局」

私が東大小児科の医局に入局したのは2000年の春、他大学出身で馴染めるか不安でしたが、計11名の個性豊かな同期新人医師の励まし、様々な専門分野のオーベン(上級医)の懇切丁寧な指導のもと、非常に充実した初期研修をさせていただきました。その後、地方の関連病院や成育医療センターで研修を終え、小児感染症分野の学位取得後、米国留学も経験させていただくことができました。2人の幼い子どもを育てながら、現在も医局の諸先生方のご指導をいただきつつ臨床・研究・教育に携われる環境を非常にありがたく思っております。
東大小児科には、血液、新生児、循環器、腎臓、神経、内分泌、免疫・感染などの幅広い分野の専門グループがあります。各関連病院の先生方含め医局の先生方との討議で感じるのは、どんなに多忙な中でも「目の前の子どものために」、と惜しみなく個々の専門知識の蓄積を結集させるエネルギーがあるということです。そしてその経験を学会発表なり論文発表なりで普遍化して発信し、遠隔に存在するかもしれない同じ状況の子どもたちのために”Act locally, think globally”の精神で貢献を続けてらっしゃることに感銘を受ける機会が多くあります。
医局としても積極的に海外研修、留学を支援しているため、自分の勉強してきた内容の世界における位置づけを理解して、さらに研鑽を積むことができます。
医師になりたての研修は日々大変なことの連続ですが、研修後のキャリアの広がりを感じられる諸先輩方の存在は大きな支えになると考えます。こうした医局のネットワークのさらなる充実化のために自分自身精進したいと考えるとともに、日本と世界の子どものために一緒に働いてくれるフレッシュな仲間が増えてくれることを期待したいと思います。興味を持たれた方は、是非、入局説明会などに参加を検討していただければ幸いです。

金基成(平成11年入局):神奈川県立こども医療センター循環器内科

はじめまして。平成11年入局の金と申します。私は現在神奈川県立こども医療センター循環器内科(小児循環器科)に属しており、小児心疾患の臨床に携わっています。私のこれまでの経験を思い出しながら、大学の外側から東大小児科の紹介をしたいと思います。
大学医局に所属することの利点はまず、手を伸ばせば臨床、研究を含め様々な経験を得ることができることにあると思います。私は入局後最初の数年間に複数の関連施設で小児科一般臨床を研修し、小児科医として経験すべき疾患を一通り経験できました。加えて、様々な指導医の先生方との関わりは、小児科医としてのロールモデルになるとともに、サブスペシャリティとして循環器を選択するきっかけにもなりました。
小児循環器の専門医療は、関連施設である成育医療センターでの経験に加え、現在所属する神奈川こどもでも専門研修をさせていただきました。このように医局での人間関係を生かして、医局の枠にとらわれない経験もできると思います。
研究については、私は大学院に入学し、大学の基礎系の研究室で行いました。小児科内でも様々な一流の研究がなされていますが、東京大学全体が研究の場になりえます。
このように、医局に所属することは、医師としてのキャリアを重ねる中での多様な経験へのアプローチの助けになると思います。一方、医局のイメージとして、束縛や堅苦しいといったものがあるかもしれませんが、当院の様々なバックグラウンドを持つ医師と接していて、東大小児科の自由な空気というものをあらためて実感します。加えて、東大小児科の臨床を大切にするマインドは同窓生に色濃く流れており、臨床医として尊敬できる先生が多いと感じています。
皆様が東大小児科の一員に加わられ、皆様とともにこどもとその家族の幸せのために仕事できることを願っています。

鶴見晴子 (平成11年入局):日本医療研究開発機構戦略推進部 研究企画課
~SpecialistとSuper generalistに出会え、様々な分野で活躍できる医局~

私は、「患者さんの助けとなる医師になる」という思いで小児科へ進みました。学生の時関連病院の茅ケ崎市立病院を見学し、小田先生に緊張性頸反射やパラシュート反射など原始反射を次々に教えていただき、双胎間輸血症候群で出生した多血児に治療が必要だと分かると「じゃ、グローブつけて」と臍帯血管を用いた交換輸血の介助をさせていただきました。
以前関連病院であった大分県の病院では松本先生に「患者さんは一番の先生である」ことを教えられ、小児科疾患は解明していないことが多く、患者さんからのシグナルを詳細に受け止め既存の知識と合わせて診療することを学びました。
8年目から勤務した虎の門病院の伊藤先生には、内分泌診療のみならず女性医師の先輩として多くのアドバイスをいただきました。東大にはこのように経験豊かなsuper generalistともいうべき先輩が関連病院に多数おられます。
4年目から専門臨床研修医として都立清瀬小児病院(現都立小児総合医療センター)において特に腎臓疾患の患者さんの診療や臨床研究を学びました。
9年目から前教授で現成育医療研究センター総長の五十嵐先生に師事し大学院で腎臓の基礎研究を開始し、小児科研究室で張田先生にご指導いただき論文を発表することができました。腎臓分野のみならず大学には各分野のspecialistが存在し臨床と並行して研究を行っており、月に一度のリサーチカンファで進捗報告され様々な研究手法や最新研究を知ることができます。
30歳を過ぎたころから医師としてだけでなく人間としての生き方についてよく考えるようになりました。大学院在籍中に子どもを2人出産し、卒後育児をする助教の枠で勤務し研究を続けています。
東大では出産後も働く女性は稀でなく子育て中や出産を控えたスタッフおよび研修医や大学院生もおり、保育園や育児についての情報交換も盛んです。育児や介護を行う男性医師もおり、また医師として政治に携わる医局員もいるなど働き方や働く分野は様々です。
私は2015年4月から医師17年目となり、縁あって内閣府に新たに発足する日本医療研究開発機構(AMED)に加わることになりました。「患者さんの助けとなる医師」の形は様々ですが、初心を念頭に置き今後も私に合った形で小児医療に寄与できたらと思います。東大小児科はそれを実現させてくれる魅力的な医局です。

高橋 寛(平成10年入局) 青梅市立総合病院 小児科 副部長
~様々な分野での人とのつながりが支えとなります~

私は平成10年に浜松医科大学を卒業後、地元である東京で小児科医として働くことを希望し、出身大学から数人の先輩方が入局しておりました、東京大学小児科にお世話になることを決めました。
入局1年目は大学病院にて、小児科における各分野での疾患の中で、それぞれ最重症の患者様を受け持ちました。各担当の指導医の先生方が、ご自身の専門分野を持ちながら、そのお子さんの全身状態や家族状況まで踏まえた臨床に全力で取り組んでいる姿を目の当たりにし、小児科医として生きる覚悟を決めた1年でありました。
2・3年目は青梅市立総合病院で一般小児科臨床を経験しました。すべての診断や治療の判断を自分で下すことを始めた時期ですが、当時の指導医の先生方の目に見えない後ろ盾を感じ、日々必死ではありましたが、安心して臨床に取り組むことができたのを覚えています。 小児科医としての姿勢の基礎をつくったのは、当時の研修期間にあたる、この最初の3年間であり、重要な時期でありました。
その後、心身障害児総合医療療育センターを経て、再び大学病院の助教として着任し、小児神経科医として、サブスペシャリティーを研鑽させていただきました。稀少疾患に対する最先端の診断・治療や、研究をされている先生方との現場での議論も頻繁に行われ、専門を決めてからも多くの先生方のお世話になり、また大切にしていただいたとご恩を感じております。また、大学病院では一人の重症児に対し、各分野の専門家がかかわることで集学的な臨床的対応が可能となることを経験し、東大小児科の総合力の大きさを感じました。
他大学からの入局者として、東大小児科の魅力を感じる点は、何といっても様々な分野での人とのつながりが、かなりの強みとなるということです。当然ながら、出身大学の違いを感じることは全くありません。
各専門分野に、医局出身の先輩・後輩が必ず存在し、何か困ったことがあれば、直接相談することも可能ですし、それぞれの先輩・後輩を通じてより専門家につなげていただくことも可能です。また、小児科医としての進路に関しての相談も、多様な分野に先輩がいらっしゃいますので、医局や先輩を通じてご紹介いただき、直接相談したり見学などもできることはもちろん、男女ともに様々な経歴のモデルとなる先輩方がいらっしゃることで、自分の将来像をイメージしやすいと思われます。
現在は研修時代に多大な影響を受けた、青梅市立総合病院にて地域医療の第一線で指導医として、今までの経験や人とのつながりを生かして、日々臨床に向き合っています。
小児医療の裾野の広さを感じるとともに、そのお子さんの病気を診るだけではない幅広い視野・取り組みが必要であることを改めて感じております。また、一病院の小児科だけでは医療を完結させることは不可能であり、地域における人とのつながり、そして医局の先輩・後輩の先生方とのご縁を大切にしていくことが、最終的に地域医療の充実につながると確信しております。
この文章をお読みいただいた小児医療を志す若い先生と、新たなご縁が生まれることを期待しています。

三平元 (平成10年入局):松戸市立病院小児科医長
~厚生労働省への人事交流を経験して~

私は東京大学医学部附属病院とその関連病院、東京大学大学院を経て、平成24年に厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課へ人事交流させていただきました。厚生労働省には医師である医系技官が200人程度勤務しており、厚生労働省に入省し様々な医療行政を行う方々(プロパー)や、医療現場で培った専門性を生かして数年勤務しその後再び現場に戻る方々(人事交流)がいます。
東京大学医学部小児科学教室からは、これまで母子保健課、結核感染症課、地域医療計画課、国際課等へ人事交流者を輩出しています。私は母子保健課にて「小児慢性特定疾病医療費支給」の制度改正、「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」の創設、「児童虐待防止医療ネットワーク事業」を推進するための検討会開催・手引き作成等に関する業務を主に担当しました。
我々人事交流のメンバーは、児童が心身ともに健やかに生まれかつ育成されるために、医療従事者の観点から見て公平かつ効率的で実現可能性の高い政策提言が求められており、審議会や委員会等で様々な専門家や組織の代表者に検討していただくよう調整し、制度として確立させ、その施策を評価していくという業務を行います。
近い将来様々な立場で我が国の児童の保健・医療・福祉・教育のリーダーとして活躍していく若い先生方は、厚生労働省で勤務することで視野が広がり、大きなヒントを得ることができるのではないかと思います。そして人事交流を経験した先生方が現場や学会等で多く活躍されるようになると、我が国の児童を取り巻く環境が更に改善されていくのではないかと思われます。
皆様是非、東京大学医学部小児科学教室から厚生労働省へ人事交流することを、ライフプランの中に組み入れてみてはいかがでしょうか。

香取竜生 (平成元年入局):関東中央病院小児科統括部長
~東大小児科への誘い~

私は小児循環器を専門としておりますが、専門分野の研修を始める前に、東京大学小児科で1年、地方の総合病院で一般小児科を3年間経験しました。その後、都立病院、大学病院、留学などを経ましたが、今でも日々の診療において、一番の力となっているのは、医者になりたてのころの大学と一般病院での様々な経験であるように思います。
小児科とは、新生児期から思春期を対象とする医学の一分野と定義されるそうです。年齢から患者を診るため、様々な分野・臓器の患者が受診・入院することになります。さらには、遺伝相談など妊娠前から始まり、胎児診断・治療をへて、疾患によっては成人期や終末期まで含みますから、さまざまな疾患・領域・患者に関わることができます。
東大小児科は、専門分野ごとの班に分かれており、希望に応じいくつかの班で様々な領域の研修をすることが出来ます。またPICU、NICU、GCUを設置し、東京都こども救命センター、周産期母子医療センターの認定を受けるなど、集中治療、救命救急、周産期の分野にも力を注いでいて、今後も拡大が予定されています。
当科での研修により、小児科にとって必要とされる様々な経験を積むことができ、研修修了後も、多くの関連施設を含め、さまざまな志望にこたえることが可能です。
また、当科は創立125周年を迎え、長い歴史の間に当科で研修された先輩方が数多くおられ、様々な施設で活躍されております。研修後のキャリアを考える上で、大きな財産となることと思います。
まずは見学をして科の雰囲気を体験してみてください。皆さんと共に働ける日が来ることを楽しみにしております。

西本 創 :さいたま市民医療センター 小児科 科長 

食事とは単なる栄養素の補給ではない。人と人とのコミュニケーション、自然の恵み、食事に関係する人々への感謝と理解を深め、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいく。それは心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、文化とともに密接に関係する非常に大切な人生の一部分である。
鶏卵など食物によるアレルギーが疑われた場合、もちろんアナフィラキシーを心配し食事制限を指導する事は必要であるが、同時にそれに伴う社会生活の不利益を考えなくてはならない。特異的IgE測定は非常に有用な検査であるが、陽性でも問題なく摂取できることも多く、検査後の解釈と食事指導が重要である。しかし、安易に検査を行い、十分な検討を行わずに多品目の食事制限を行われていること問題になっている。 近年、食物負荷試験が保険適用となり「必要最小限の除去」を指導する為には必須とされているが実施可能施設は多くない。また、摂取により症状がみられても、医師の指導のもと慎重に摂取を開始する経口免疫療法が話題になっているが、日本小児アレルギー学会の公式見解では「専門医が体制の整った環境で研究的に行う段階の治療である」と位置付けられている。しかし、食事制限が不要になる事により、栄養面、社会生活の制限といった問題を解決できるだけでなく、アナフィラキシーにおびえるこどもを救う事できる根治療法の可能性を秘めており、実施可能施設の増加が期待されている。
当院では地域の医療機関と連携し食物負荷試験、さらには経口免疫療法を行うことにより、埼玉県のアレルギー診療を担っている。さらには病院を飛び出し、埼玉県教育委員会に協力し、学校給食における食物アレルギー対応マニュアルの作成や研修会講師の担当、専門・救急医療の提供を行っている。
すべてのこどもが安全に楽しく学校生活を送る事が出来るよう、まだまだ解決しなくてはならない問題は多い。若い仲間の参加を期待している。
(関連リンク さいたま市民医療センターHP

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