小児科のご紹介

教授の挨拶

教授 岡 明
教授 岡 明

伝統と若い力を融合して小児医学の未来へ

東京大学医学部の小児科学教室の基礎は、明治22年(1889年)に初代教授弘田長先生が、教室を興した時点に遡ります。ですので、今年で120年余に渡る伝統があり、これまでに多く先人を輩出し我が国の小児科学をリードして参りました。

当教室の出身者は、現在も大学や国立成育医療研究センター等の小児専門医療機関や地域基幹小児医療施設において指導的立場で小児医療や小児医学研究に従事しています。私で当教室の教室主任としては9代目となります。

東京大学医学部附属病院の小児医療について

本院は、大学病院の中でも規模も大きく、現在小児系のベッド数が100床を越えて小児総合医療施設協議会に加盟する小児医療センターを院内に持っています。当院は総合周産期母子医療センター施設としても認定されており、NICU (新生児集中治療部)とGCUはその新生児部門を担っています。また、小児重症患者を受け入れる小児集中治療室(PICU)も備えており、東京都から子ども救命センターとしても指定を受けています。今後さらに新しい病棟が建設予定で、すでにNICUやPICUを中心とした増床が決まっています。

当院は東京の東部に位置しますが、この地域にはいわゆる「子ども病院」の様な小児専門病院はありません。本院の小児医療センターは、東京の下町の小児病院として地域のセンター施設であるばかりでなく、最適な先端医療を提供し続ける専門施設としてさらに発展をしていきたいと思います。そのためにも、今後はさらに医療連携を進めていきたいと思っております。ぜひ、小児医療に関係する先生方との、「顔の見える関係」を深めていきたいと思っております。ぜひともよろしくお願いいたします。

当院では、救急医療、プライマリケアや小児保健活動から専門性の高い医療まで幅広い診療を行っています。特に、先天性心疾患、血液悪性腫瘍、神経筋疾患、低出生体重児などの難病を持つ患者や外科系疾患の患者が多数集まり、診療科同士の連携も深く、協力して診療を行っています。そのために血液腫瘍、心臓、新生児、神経、心理、腎臓、免疫アレルギー、感染症等の各領域の専門家を科内にそろえております。私ども小児科では、子ども達の全身を診療することをモットーとしております。子どもは大人の様に言葉で心を表現できませんので、心の問題が身体の症状として出てくることも少なくありません。東大病院の小児科では、子どもたちの全身の病気に対して、最先端の適切な医療を提供させていただくとともに、子どもたちの心や発達への優しいまなざしを忘れないでいきたいと思います。

また、お子さんが重い病気になった場合には、御家族にも大変な精神的負担となります。御家族がそれを乗り越えて一緒に病気と戦っていただくことは、子どもたちが元気になるために不可欠です。私たちはそうした御家族を支え勇気づけられる医療者で有りたいと思っています。なお、遠方からの患者さんの御家族のためには、「東大ハウス」という宿泊施設の利用も可能となっております。

小児科医師を目指す医学生や若い先生方へ

私たちは日々の臨床や研究を通じて、皆さんに小児医療や小児医学研究の素晴らしさや醍醐味を伝えていきたいと思います。それは医療についていえば、全身の医療であり、子どもや家族の心も含めた総合的な医療であり、医療を通じて我々医師の人間性も育まれるものであると思います。また研究面では、遺伝、発生、がん、新生児、成長、発達、臓器としては血液、心臓、腎、脳神経、内分泌系、免疫系、感染症、さらには心理や発達障害など、ともかく広い範囲をカバーしておりますので、医師が自分の興味を抱いた領域を選ぶことができます。またどの領域にも、東京大学医学部小児科のネットワークの中で、必ず先達となる素晴らしい先生方との出会いがあります。

大学の医局の役割は、皆さん若手医師の人間の成長とキャリア形成を手助けするものだと思っています。医師は、医師免許を得た時からがスタートです。時には進路に迷ったり壁にぶつかることもあります。メンターとなる先輩医師との出会い、また個々の医師に合わせた助言や時には忠告などが、医師の成長には必要です。そうした場を皆さんに提供することが、東京大学医学部小児科の大事なミッションだと考えています。

先端的な医療の知識と技術の修得については、まず大学病院の毎日の診療の中で丁寧に指導されていきます。その後医師教育は東大病院内だけでなく、多くの医局の先輩の先生方が様々な施設で活躍しておりますので、そのネットワークの中で経験を積み、数多くの優秀な小児科医師が育っています。5年後にはほとんどの医師が小児科専門医を取得します。

研究面では、分子生物学・細胞生物学的な手法を用いた基礎的研究はもちろん、臨床的研究も活発に行われています。毎年多くの医師が大学院を選択し、先端的な研究を行っています。また、研究や臨床でたくさんの医局員が欧米に留学しています。教室の卒業生は国立成育医療研究センターやその他の小児病院、全国の大学病院、関東・東北・中部・東海地方の基幹病院、厚生労働省、各種大学、実地医家などの幅広い分野で活躍しています。小児科学教室と関連施設では、女性医師が生涯を通じて自信を持って元気に働くことのできる環境を整備するよう努力しています。

小児科医としての充実感を皆さんに伝えていきたいと思っていますので、まずは気軽に声をかけてください。皆さんとの出会いをお待ちしています。

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