小児科のご紹介

診療グループ 研究内容

内分泌 / Pediatric Endocrinology(研究内容)

研究内容

私たち内分泌・糖尿病・代謝研究グループは、ホルモンの異常による内分泌疾患、小児糖尿病、低血糖症や各種代謝疾患に対して、様々な研究を行っております。
これまでに、遺伝性疾患の原因遺伝子の同定をしたり、種々の疾患の発症機序の解明を遺伝子レベルで明らかにしてきました。
現在も、まだ原因が同定されていない疾患の原因を明らかにすることを目標として、研究をすすめています。
また、いわゆる“体質的”や“遺伝”と言われているような体の特徴や病気のなりやすさが、どのような機序によるのかも研究をしています。

(1) くる病の病因・病態解明に関する基礎的研究
くる病には遺伝性のくる病であるビタミンD依存性くる病1型・2型や低リン血症性くる病、栄養性と言われるビタミンD欠乏症、その他未熟児くる病、腎性くる病など種々の原因があります。
その中で、ビタミンD依存性くる病1型の原因が、ビタミンDの1α水酸化酵素の遺伝子異常によることを明らかにする研究を以前行いました。
これにより1α水酸化酵素の研究が世界的に進歩し、骨だけでなく免疫や癌の領域までビタミンDの重要性が認識されるようになってきました。
現在は、ビタミンD依存性くる病1型に限らず、ビタミンD依存性くる病2型や低リン血症性くる病の遺伝子解析を行い、正確な診断と病態解明に向けて研究を続けています。
最近は、日本で初めての低リン血性くる病家系の診断、特異な遺伝形式を示すくる病家系の原因の解明、優性遺伝するくる病の新たな発症機序の解明を行いました。

(2) ビタミンD欠乏症(くる病、低カルシウム血症)に関する基礎的および臨床的研究
近年、世界的にビタミンD欠乏による、くる病あるいは低カルシウム血症が増加してきていることが注目されており、日本においても増加しています。
その原因としては、紫外線の不足、アレルギーなどに対する食事療法があります。
母乳はミルクに比べるとビタミンDの含有量が少ないため、母乳中心の赤ちゃんはビタミンD欠乏がおこりやすい状態にあります。
さらに、紫外線の害ばかりが報道されているために、紫外線をあびる量が極端に少なくなっているようです。
日焼け止めの使用、冬期、緯度の高い地方ではビタミンDくる病不足の危険性が高くなります。
さらには、アレルギーのために食事療法をしている場合もビタミンD不足なりやすいことがわかっています。
私どもは、このようなビタミンD欠乏症を全国から集めて、研究を行っております。
特に、ビタミンD欠乏症になりやすい遺伝的な体質がないか、つまり、ある体質をもった人だけが環境因子により発症するのではないかと考え研究をしています。
最近、このような遺伝因子があることを、日本人の解析で初めて見出しました。
この研究をすすめることにより、体質がある人だけにビタミンDを補充するなど、いわゆるオーダーメイド医療ができると考えています。
また、臨床研究では、日本人小児のビタミンD不足の状況を調査し、冬期は関東地方で約4割の子どもが不足しているということがわかりました。
また、大規模データを利用した、患者数調査も行っております。

(3) 内分泌代謝疾患の原因遺伝子同定と遺伝子診断
種々の内分泌代謝疾患、または原因不明の疾患について、診断目的および新たに原因を同定する目的で遺伝子解析を行っております。
これまでには、くる病の原因遺伝子を同定し、最近、低身長と副甲状腺機能低下症などを呈するKenny-Caffey症候群の原因遺伝子同定を行いました。
この原因遺伝子同定からの研究も大きく発展しており、現在、疾患特異的iPS細胞を作成し、新たな治療薬の開発にチャレンジしています。また、現在もひきつづき、種々の疾患で原因遺伝子の解明と発症機序の解析を行っております。

診断を目的とした場合は、遺伝子解析は全国の医療機関との連携で正確な診断を行います。
また、その結果をもとに、遺伝カウセリングも施行しております。
これまでには、若年発症糖尿病であるMODY、爪膝蓋骨症候群の遺伝子解析と機能解析を行い、症状の分子生物学的機序を解明してきました。
その他にも、カルシウム代謝異常、糖原病、高インスリン血症性低血糖症、新生児糖尿病、軟骨無形成症/低形成症、致死性骨異形成症、先天性甲状腺機能低下症、バーター症候群など多くの疾患の解析を行っております。

(4) 小児1型糖尿病の前向きコホート研究
国内での多施設共同で行われている小児1型糖尿病の前向きコホートに参加しています。
血糖コントロールに影響する因子、コントロール不良例の解析等を全国多施設と共同で行っています。

診療実績

●内分泌カンファレンス・Journal club: 毎週火曜日 16:30~

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