2007年下半期糖尿病教室の記録

ヘモグロビンA1c

 

2007-07-09

糖尿病の長期コントロールの指標として、ヘモグロビンA1c(HbA1c,グリコヘモグロビン)が用いられます。酸素を運ぶ赤血球の赤い色素の蛋白、ヘモグロビンに、高い血糖によって、糖分がついて変性したものです。検査方法としては、HPLCを用いた方法を当院では用いていますが、糖化したヘモグロビンを抗体で調べる方法などもあります。糖化するのはヘモグロビンだけではありません。血管の壁など、糖化変性した組織が、多様な糖尿病合併症を呈します。全身がどれだけ糖化しているかの指標としてHbA1cは重要です。6.5%未満、できれば5.8%未満を目指しましょう。

動脈硬化ガイドライン2007年版

 

2007-08-13

動脈硬化学会の高脂血症治療の目標を定めた、動脈硬化のガイドラインが改定されました。総コレステロールではなくLDLコレステロールで目標を定めるように改定されました。糖尿病があると正常血糖の方より6〜8倍心筋梗塞や脳梗塞をきたしやすいので、危険因子がない人の基準140mg/dlよりも20mg/dl厳しい、LDLコレステロール120mg/dLを採用しています。

糖尿病の呑み薬

 

2007-09-10

糖尿病の飲み薬には、「(血糖を下げるホルモンの)インスリンの分泌を促すSU薬など」「消化吸収を邪魔するαGI薬」「ブドウ糖の代謝を抑制するBG薬」「インスリンの効き目を高め、脂肪への変換を促すPPARγ作動薬」が上市されています。[wikipediaに行く]

冬支度とワクチン

 

2007-10-15

糖尿病患者では血糖が高い分、細菌・真菌繁殖が早く、毒素の産生も盛んになる一方で、免疫力が衰え、重篤な肺炎になることもしばしばです。インフルエンザウイルスワクチンは毎年秋11から12月ごろに、接種しましょう。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎のリスクの高い高齢者や肺気腫・腎症・心疾患・脳血管障害を併発した方に、特にお勧めします。一回打つと5年くらい有効です。肺炎球菌以外の肺炎桿菌などの肺炎には効果はありませんが、肺炎球菌による肺炎の60%を予防するのではと言われます。抗生剤の効きにくい耐性菌が増える中予防の必要性は増しています。

冬支度、心筋梗塞の予防

 

2007-11-12

糖尿病患者では神経障害のため痛みが感じないことがあります。
そのため狭心痛・胸痛を感じないまま、心筋梗塞になることもしばしばです。
息切れや浮腫のような心不全症状、更には心室細動の様な致死性の不整脈を突然起こすことがあります。
症状や体調だけに頼らず、負荷心電図や心筋シンチという放射性同位元素を用いた検査、心臓カテーテルなどの検査で予見・予防しましょう。

やめた!儲からん?吸入インスリン

 

2007-11-12

吸入インスリンのエクスベラは500mlのペットボトル程の大きさがある。ボールペン程の注射器よりも持ち歩きは不便である。季節性のアレルギーや喫煙などの問題もある。マーケットは針の無い利便性を評価せず、儲からないという事で吸入インスリンの販売を停止した。[2007 Q3決算報告 2007-11-02] because too few patients are taking EXUBERA … Pfeizer will stop providing EXUBERA


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