表題:お荷物はお膝の上に

本文:電車や乗合自動車で空き席に荷物を置き混んでいても占有を主張するのは見苦しいものである。
多少同情を引くのは肥満症の場合である。
内臓型肥満で腰掛けの奥行を超え腹壁が通路に突出している例では手荷物を膝に置けない。
公共交通移動等円滑化基準に関する省令の標準仕様によると乗合自動車の奥行きは41±1cmと定められている。
座面を決める大腿長は43.14±2.31(20歳代男子)から37.84±2.84cm(60歳代女子)と製品評価技術基盤機構が測定している。
臍位腹部厚径の実測値18.8cmという(注。仰臥位のMRIでの計測)。更に個体差も大きく男性で7%女性で12%の偏差がある[生体医工学40(4)p45]。
座位の方が前方に凸出する。
膝の上に内臓脂肪が「お荷物」として載ってまいせんか。

350文字の制限で削りが多くて分かりにくい文章だが、お気づきだろうか、片仮名を排除して書いた。「公共交通移動等円滑化基準に関する省令の標準仕様によると乗合自動車」とか苦しいが、「バリフリ基準・ガイドライン」から引用してきた数字である。
厚みというのは家具や衣服の設計の基本となるので、携帯電話などの電磁波の影響や放射線科の診断/照射にも用いるためにカタログがあるらしい。しかし、それは登録等が必要で、頼まれコラムには荷が重く漁った結果が上記だった。
出さなかった論文としては、BOMABファントムと日本人体型の比較があるが、これにもびっくりした。欧米の既存の人体モデルより福島事故後にホールボディカウンターの補正のために実測した日本人の方が「最も厚みの大きい年代の40代男性で比較すると、バスト厚径で15%、ヒップ厚径では23%ファントムより大きい」「BOMABファントムとほぼ同じ身長、体重の日本人男性と比較したが、やはり厚みはファントムの方が薄く、胸部や腹部では厚径値のばらつきが大きかった。」とある。和人はメタボでダメぽらしい。キューピー体型とも言えるが;p
厚みついでに、女性の容姿に関する男性の評価と腹部の厚さという論文もあった。これは笑ってしまうのだが、北米の論文なのに、サンプルの最大BMIが17.76~24.9で厚みが14.25~20.35cmとある。愁眉を測定するには25以上のBMIの例は拾っていないらしい。
自分はというと座位で17cmだった、BMI22なので標準よりは膝の上に隙間がある。34cmのカバンが置ける。


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