リスクアセスメントで残留リスクを書き込むましょう

2015-Oct

リスクアセスメントをして対策を打った後、あるいは対策を打たない決断をしたあと、後任や他部門に情報を伝える必要があります。
リスクレベルに関しては抜けはありませんが、対策書のリスクレベルがIIなのに、残留リスクは空欄ということがあります。
「飼い馴らされた猛獣」という言葉があるように、「リスクを知っている」ことが大事です。
脱法ドラックの患者が急患で来ることほど恐ろしいことはありません。製造者も「出来上がった成分が何か?どういう純度か?」判らないことがあるので、治療法も危険も判らないのです。
リスクアセスメントで残留リスクを明示し共有をはかるようにしましょう。


【流行病4話】

2015-Nov

【ドアノブ】トイレのドアノブはノロウイルスの住処になります。トイレのドアは素手で開けないで、トイレットペーパーなどで開け閉めすると自分に移らないし、そこを拭ってウイルス量を少しでも減らすので感染を抑制させます。 喫煙室のドアも同じように唾で汚れていますので、インフルエンザの住処と思って、開け閉めしてください。
 【インフルエンザ】さて、インフルエンザワクチンが効くかというと、その年の流行のワクチンの予報が当たるかどうかという事になります。三越本店の結果ですが、派遣社員は当社とおなじで補助が出ないので、ワクチン接種率が低いです。でも、会社の保健室にインフルエンザ罹患を届けた人も少なくなってます。じゃぁやはり効かないのか?当社でも、2013年に打ったワクチンは効きましたがそれはAH1型というメキシコ風邪が主流だったからでした。2014年は香港カゼというAH3型というのが流行して、しかもクリスマス前にピークが来たのでウイルスを打ち終わっていなかったというのが言い訳ですが、効き目が無かったという結果に終わったようです。香港カゼは鶏の玉子の中で培養するうちに型が変わって効き目が出難いという性質もあります。  それはともかく、正確に報連相するか?という意味では正社員の数字が高めにでる理由になるかもしれません。派遣元や派遣社員にも寛容にならないと無理な出社に繋がると思いましょう。
 【おたふく・ムンプス・流行性耳下腺炎】おたふくかぜは、ワクチンがあるのですが、子供の定期接種には含まれていません。ですから、日本ならまだよいのですが、出張先で貰う事も考えておいてください。潜伏期間が2週間にもなるムンプスは終息にも時間が掛かります。  他の病気、風しんや麻しんもそうですが、自分の母子手帳をしっかり確認して罹ってない打ってないということなら、自主的な接種をした方が良いです。
 【流行性胃腸炎】ノロウイルスは今季大きく型が変わりました。流行の規模が大きくなると考えられます。検査キットをつかって新型を調べると、半数は陰性に出ます。嘘っ子にマイナスになるのは、既存の免疫を司る抗体がウイルスと結合し無いくらい型が変わっている証拠です。  今まで罹って免疫が出来た人も、新型にはコロリとやられてしまいかねません。また、「医者で検査して陰性だ!」と広言してもあてになりません。 症状から診断し、吐いたり下痢の時は、大人しく家で籠って居て下さい。 30ccとか40ccとか30分に少しづつ口にすれば、それは点滴と同じ効能になります。コンソメや具の無い味噌汁を、半分に薄めて水分と塩分を補って下さい。  ノロウイルスは1泊2日、ロタウイルスやサポウイルスは2泊3日で嘔吐は収まりますから、そうしたら出社して貰って結構です。  それでも、便の中には1か月以上ウイルスが潜んでいますから、扉の写真を思い出してトイレのドアの開け閉めは、紙を介して行ってください。
【新規の脅威】エンテロウイルスD68型は子供の風邪で、喘息のような気管支炎で人工呼吸が必要になったり、下痢で脱水になったりします。その中に「小児麻痺」のような後遺症を残す子供が出ていると国立感染症研究所などが注意を促しています。自分は子供じゃないから大丈夫とか、家には子供が居ないから関係ないとか言わずに、手洗い嗽をして、皆さんから余所の子供にリレーしないように頑張りましょう。洟をかんだ手で吊皮手すりを触ればリレーします。


食べ物のアレルギー

2015-Dec

食べ物が完全に消化されてしまえば、アレルギーは起きにくくなります。
しかし消化によってアレルギーの様な症状がでることがあります。
タンパク質が分解して、アミノ酸の仲間のヒスタミンが蓄積した場合などです。
「サバにあたった」という表現がありますが、古い魚介類にヒスタミンが多いことがあります、ほかには、アクの強い野菜、ホウレンソウや里芋で見られることがあります。
ヒスタミンは化学物質として直接に肥満細胞などに働きかけて、ロイコトリエンやトロンボキサンの放出も誘発し血管透過性を亢進させ皮膚や粘膜を腫らします。皮膚が腫れれば蕁麻疹として目につきます。唇や口の中の粘膜も腫れていれば見ることが出来ます。鼻水が垂れて鼻が詰まるのも目に見えます。こういったことが、喉の奥から気管に掛けて起こると、喘息や、さらには窒息に繋がる、喉頭浮腫をおこします。
アレルギーによる急な死亡はこの窒息が一つになります。
洟水のように、消化管が浮腫むと、下痢や嘔吐が症状に現れます。
血管透過性が亢進して、血管の中の水分が外に抜けてしまうと、血圧が下がり、色々な臓器への血流が減少してしまいます。これをアナフラキシーショックと言います。
脳への血流や酸素が少なくなると、譫言や意識障害をおこします。
アレルギーとして起こすときは、即時型と遅延型に分けることがあります。
今食べた、今触った、そういうもので起こす即時型は原因が特定しやすく判りやすいです。
一方で遅延型は犯人探しに苦労します。朝食べたものが夕方になって症状を起こしたり、2~3日して症状が現れるだけではなく、運動や一緒に飲んだ薬など条件が揃った時だけ、症状を来す人が居るからです。
ほかに抗原の性質によって分けることがあります。クラス1は、熱や酸に安定で調理や胃酸によっても変化を受けずに、腸管の粘膜で免疫を活動的に操って症状を起こす種類です。一方で、加熱したら症状は出ないが生だと症状が出る人が居ます。これをクラス2と言います。胃より手前で症状を起こすので、口腔アレルギーという症状で出る事があります。
牛肉や牛由来の薬品のアレルギーが、マダニに刺されることで惹起されることもあります。そうした患者さんは子持ちカレイにもアレルギーを起こしやすく、飼い犬がいる割合が極めて高かったそうです。
また石鹸の中の分解した小麦の成分でアレルギーが感作され食べ物アレルギーに結びつくこともあります。食べたもので直接アレルギーを起こしたわけではないのです。
医療現場などゴムを扱うところで困ることは、ラテックスに対するIgE抗体を持っていると、栗やアボカドなどと交差して口腔アレルギーを起こすことです。「ラテックス=フルーツ症候群」とも言います。
スギやヒノキのアレルギーの人の中には、トマトの成分と免疫が部分的に交差して反応を示しやすい口腔アレルギーの人が居ます。一方で、試薬としての抗原は加熱など加工を経ていて、偽陰性、抗原性が異なり抗体が試薬にくっつかず、マイナスとの判定を示すことがあります。
クラス1の抗原では、消化吸収を経て、食べ物が血流を経て皮膚や気管に辿りついてから症状を起こすことがあります。血行が良くなる運動、運動による発汗で、抗原が局所により多く注ぎ込まれて、喘息やアトピーの増悪という結果を見るまで、1日2日掛かる場合、直前に摂った他の物を悪者と勘違いすることがあります。
 痒さだけでは無く喘息様の呼吸困難や嘔吐・血圧の低下を伴うときは、アナフラキシーショックと言います。横臥させるか、嘔吐が咽喉に詰まらないように、シムスの体位(右下の側臥位)にして、医療機関に搬送します。
原因を特定するよりも、目先の手当の話をすると、血管透過性を抑え血圧を保つには、「エピネフリン」です。子供が学校で打ったり、林業関係者が蜂に刺されたときに使うキット名では「エピペン」といいます。
 喘息や喉頭浮腫であれば、浮腫んでいる咽喉や気管の粘膜の腫れが少し減り、空気を吸い込むことが出来ます。
 この手当で、病院に運ぶ時間を稼ぐことが出来ます。
 炎症を落ち着かせるには、先ほどのヒスタミンを邪魔する抗ヒスタミン剤を注射や内服で与えます。
次の免疫反応が起きないように再発を抑えるために、ステロイドは有効です。


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