大会長挨拶

この度、平成27(2015)年6月26日・27日に「第22回日本産業精神保健学会」を東京都千代田区の学術総合センター(一橋講堂)において開催する運びとなりました。

日本産業精神保健学会は、島悟先生が設立趣旨の原案を作成され、働く者のメンタルヘルスの保持増進を図ることを目的として1995年11月に加藤正明先生を理事長として設立されました。設立趣旨の一つに「精神科医、心療内科医、および産業医、産業看護職、心理職、ケースワーカー、衛生管理者などの多職種からなる企業内外のメンタルヘルス担当者間の有機的連携を図ること」があり、今回の大会は本学会の初心に立ち戻り企画運営を進めています。

精神障害の労災請求件数は毎年、過去最高を更新し、2013年度は1,409件(前年度比152件増)、認定件数は436 件(前年度比 39 件の減)であり、4年ぶりに減少したものの、深刻な状況が続いています。 さて2011年12月に労働安全衛生法一部改正案「精神的健康の状況を把握するための検査と面接指導の制度」が国会に上程されましたが、2012年11月16日国会解散に伴い廃案となりました。この法案は、医師による高ストレスの労働者に対する面接指導制度及び医師からの意見聴取を行うことを事業者の義務としたものでしたが、健康診断の在り方や守秘義務、さらに高ストレス者への介入方法を巡り諸団体から賛否両論の様々な議論が引き起こされました。しかし、労働政策審議会で一次予防を目的として再度、改正案が審議し直され、労働安全衛生法の一部を改正する法律案「心理的な負担の程度を把握するための検査等(法律案の要綱)」として2014年3月、第186回通常国会に提出され、本年6月19日に可決成立、6月25日に公布されるに至りました。今後、専門検討会、行政指針検討会が開催され、2015年度中に施行されることになります。

2015年度は、産業精神保健の現場にとって大きな変革を迎える年であり、多職種での連携を中心に労働者の心の健康維持増進を目標に活動していく時代にはいり、特に医療との連携をどう強化するかが、大きな課題であると思われます。

ぜひこの大会を成功させて頂くことができますよう、ご指導、お力添えを頂きたくお願い申し上げます。

2014年12月吉日
第22回日本産業精神保健学会

会長 黒木 宣夫
東邦大学医学部精神神経医学講座(佐倉)教授