「自覚症状しらべ」改訂作業

改訂作業経過報告

 「自覚症状しらべ」の改訂が1999年の産業疲労研究会総会の場で決定しました。
改訂にいちった理由は、1)前回改訂から30年間を経て産業構造や社会状況の変化してきたこと、2)自覚症状しらべのニーズや利用方法の変化、3)段階評価の希望等々、時代のニーズが変化し、現状のチェック方法や項目では時代の要求に必ずしも対応できなくなったことにあります(詳細は酒井一博産業疲労研究会世話人が会報第8号に示しています)。

 改訂の決定をうけ、改訂作業にあたるワーキンググループ(以下WGとする)のメンバーを募集し、活動にあたることとなりました。現在のところ、以下の22名の方がWGメンバーとして活動に参加していただいております。

酒井一博(WG代表, 労研)・ 青山京子(静岡県金属健保浜松事務所)・井谷 徹(名古屋市大・医・衛生)・ 上田 厚(熊本大・医・衛生)・岸田孝弥(高崎経済大)・小林秀紹(福井高専)・近藤雄二(天理大)・ 斎藤 健(北大院・医・環境医学)・酒井康子(富士電機)・佐々木司(労研)・瀬尾明彦(東京都立科学技術大)・ 武山英麿(名古屋市大・医・衛生)・城 憲秀(WG事務局,名古屋市大・医・衛生)・立身政信(岩手医大・衛生公衛)・ 広瀬俊雄(仙台錦町診療所)・堀江正知(NKK京浜健康管理センター)・宮尾 克(名古屋大院・多元数理学)・ 宮北隆志(熊本大・医・衛生)・宮下和久(和歌山医大・衛生)・茂原 治((財)和歌山健康センター)・ 山田琢之(愛知医大・産保科学センター)・山本理江(松下電器AVC社)


以下にこれまでに行われたワークショップの議事録を掲載します。


【第1回「自覚症状しらべ」改訂ワークショップ】

 「自覚症状しらべ」ワーキンググループによる第1回ワークショップは1999年9月25日(土)13:00〜15:30に名古屋市立大学医学部で開催され、以下のような方針で今後の作業を進めることを確認しました。

1)改訂にあたっての基本方針

 (1)当面は従来の経時型調査票の改訂を実施し、1回問診型調査票の作成は当面考慮しない。

(2)調査票は一般的質問項目(従来の30項目のような)と、目の疲労や腰痛等の特異的な疲労徴候に関する 副リスト的質問項目から構成する。

 (3)調査票の応答方式は段階評価もできるように配慮する。

 (4)調査票とともに改善志向型チェックリストを添付する。

2)改訂の進め方

 (1)メンバーによる検討のうえで、試行質問票を準備する。

 (2)この試行質問票で予備調査を行う。

 (3)統計的手段により質問項目の構成を検討する。

 (4)試行調査票の分析結果に基づく新たな調査票を作成し、本調査を実施する。

 (5)2001年の産業衛生学会を目途に「新 自覚症状しらべ」を提案する。


【第2回「自覚症状しらべ」改訂ワークショップ】

 第2回ワークショップは、2000年2月5日(土)に和歌山県立医科大学で行われた第53回産業疲労研究会例会の中で開催したので、WGメンバー以外にも多くの方の参加を得ました。このワークショップでは次のような点を合意しました。
 
1) 暫定調査票の提案

 これまでのワーキンググループの作業から提出された意見等にもとづき事務局より暫定調査票を提案した。

 これを基礎資料として討議を行ったが、暫定調査票はワーキンググループメンバーを中心として今後さらに討議し、2000年2月29日を目途に完成することとした。

2)今後の調査予定

 a. 暫定調査票の完成(2月末までに)

 b. 暫定調査票による予備調査(4月ごろまでに)

 c. 予備調査の結果解析に基づき、本格調査用調査票の完成

(夏季までにワークショップを開催し本件について討議する)

3) 予備調査への参加協力の依頼

 予備調査への参加可能機関の協力を求めた(メンバーの方で協力可能な方は事務局までお知らせください)。

4) 利用の手引きの作製

 自覚症状しらべ調査票および調査票との併用を期待される作業条件チェックリストの使い方や調査分析・評価法などにも配慮した「利用の手引き」の準備もあゑせて行うことが確認された。


【第3回「自覚症状しらべ」改訂ワークショップ】

第3回ワークショップは2000年7月15日(土)午後3時〜午後6時まで名古屋市立大学医学部で開催されました。
このワークショップでは暫定調査結果の検討と今後の本調査にあたっての方針を議論いたしました。

1.暫定調査結果報告

a)暫定調査概要
   全国6カ所での調査結果について事務局より報告した。
主な結果としては以下の3点が示されち。
   @ 因子分析結果から各時点ごとに6〜10因子が抽出され、そのうち時点間で共通性がある因子として5〜7因子があげられる。
   A 従来のU群は、新規項目も加えて大きく2つに分離されるように思われた。また、目の症状、運動器関連の質問項目もそれぞれ1群としてまとまる傾向が認められた。
   BChronbachのαからみる限り、調査票の内的整合性は高い。

b)和歌山医大(宮下委員)による従来の調査票と暫定調査票との比較
   和歌山医大では某酒造メーカーに勤める蔵人の労働負担について作業前後で従来の調査票と暫定調査票を利用した調査を実施した。
   その結果、運動器に関わる訴えは作業前後とも最も多かったが、訴えの強度の変化は少なかった。作業前後で訴えが強くなる項目は3項目だったが、いくつかの項目では前後での変化が認められた。

2.検討事項

  a)本調査用質問票の作製について
  上記の結果報告に基づき、以下の修正を加えたうえで本調査に取り組むこととした。
@ 質問項目検討
   ・暫定調査結果から訴えの程度が低い項目(「足もとがふらつく」「いき苦すい」「めまいがする」「手足がふるえる」)を除外する。
   ・「いそがしく感じる」「時間に追われる感じがする」も内容的に調査目的にそぐわないと考えられるので除外する。
  A 段階評価の妥当性
   ・複数の回答者から7段階評価は回答するのが難しいとの意見もあり、統計的に問題がなければ5段階評価にする。(ワークショップ後に実施した分析では、5段階にしても7段階とほぼ同様の因子分析結果が得られるので5段階評価に変更)
   B 添付チェックリストの検討(資料7)
   ・添付チェックリストについては今後さらに検討する。

b)今後の予定
   @ 本調査のための質問票について
上記の暫定調査票の検討結果をもとに質問紙案を事務局が作成し、ワーキンググループメンバーや他の会員等の意見を得たうえで本調査の調査票を決定する。
   A 本調査の実施について
・次回の産業疲労研究会例会時に最終的な調査報告ができるように本調査を実施する。時期的にはおそくとも9月には開始したい。
・本調査では各調査箇所で最低50人・日程度(例:50名を対象とするときは1日 分のデータ、25名ならば2日分)の調査対象を得てもらいたい

【改訂作業の現状】

現在、試行調査票による本調査が進行中です。全国規模で調査がなされており、ぞくぞくとデータが事務局まで届いております。現在、統計解析等を実施しておりますが、信頼性を高めるため、尚一層のデータ収集を進めたいと思っています。ご協力いちだける方は事務局までご連絡ください。


【第4,5,6回「自覚症状しらべ」改訂ワークショップならびに最終打ち合わせ】

日時:

 第4回ワークショップ  2001年2月24日(土)午後2時30分から午後3時30分

 第5回ワークショップ  2001年4月5日(木)午後7時から午後8時

 第6回ワークショップ  2001年11月10日(土)午後2時30分〜午後3時30分

 最終打合せ       2001年11月19日(月)午後6時〜午後7時

場所

 第4回 名古屋市立大学医学部同窓会館会議室

 第5回 高知グリーン会館会議室

 第6回 天理大学杣之内キャンパス第3会議室

 最終打合せ 文部科学省分館カトレア

出席者(WGメンバー)

 第4回   酒井一博(代表)、青山京子、井谷 徹、酒井康子、佐々木 司、瀬尾明彦、武山英麿、城 憲秀、山本理江

 第5回   酒井一博(代表)、井谷 徹、岸田孝弥、近藤雄二、佐々木 司、瀬尾明彦、武山英麿、城 憲秀、宮北隆志、宮下和久、茂原 治

 第6回   酒井一博(代表)、近藤雄二、佐々木 司、武山英麿、城 憲秀

 最終打合せ 酒井一博(代表)、井谷 徹、近藤雄二、佐々木 司、瀬尾明彦、山本理江

 なお、第4回から第6回のワークショップは産業疲労研究会例会時に開催されましたので、WGメンバー以外にも多くの皆様に議論に参加していただきました。この点、追加させていただきます。

 勝手ながら、議事録は4回の会合をまとめた形で報告させていただきます。恐縮ですが、ご了承ください。

1. 報告事項

1) 試行調査の解析結果(資料1)

試行調査解析の中間結果をいずれの会合でも事務局より行った。現在のところ、資料1のような結果を得ている。

2) 4回の会合で得た意見(括弧内は対処した点)

・ 対象人数をもっと増やした方がよいと思われる(約100名とわずかだが対象者数を増やした)

・ 最新の対象職種を考慮すべきものと考える。(SE職種を調査、また、最新とはいえないが銀行で為替、統括事務業務も調査した)

・ 調査票の提案を早期にすべきだ(2002年の産業衛生学会での提案をめざす)

3) 今後の予定

・ 上述のように、来年春の学会での提案を目指して活動を進めていく。

・ そのため、改訂作業ならびに新調査票の提案にいたった経過について報告としてまとめる。(「労働の科学」特集として掲載することも考慮)

・ 新調査票は、資料1にある3つの提案からWGメンバーの意見を尋ねたうえで決定する。

2. 提案

以下の提案に関しての賛否、意見を事務局へ送ってください。

1) 調査票の決定

3つの提案調査票からいずれか1つをWGメンバーに選択していただき、新調査票として提案に結びつけたい。

2) 因子名の検討

3提案とも5因子構造より構成されている。現在、資料には仮の因子名がつけられているが、この検討も必要と思われる。

3) 調査票の体裁

調査票の体裁をどのようにするかについても考慮する必要がある。

資料にたたき台をいれたので、これに対する意見もメンバーから提出してもらう。

4) 改訂版自覚症状しらべの提案と、検討過程に関する報告書の作成について

 提案事項:改訂版自覚症状しらべに関する報告書を雑誌「労働の科学」に掲載し、来年度の産衛(2002年4月9日〜:神戸大学)に間に合わせる。

 雑誌「労働の科学」の編集者と交渉の結果、2001年5月号(通常、4月10日の発行であるが、産衛の開催日に間に合わせることはできる)の第2特集(小特集)として掲載することを了解してくれた。この小特集を産業疲労研究会自由集会で配布(頒布)することで報告書とすることと、今後の活用についてPRする。

ただし、

目次案

第2特集 日本産業衛生学会産業疲労研究会選定

      改訂版自覚症状しらべの提案

1.産衛自覚症状しらべと改訂作業  酒井一博(労研) 4ページ

2.改訂作業と新しい自覚症状しらべの提案  城憲秀(名市大) 8ページ

3.改訂版自覚症状しらべの使い方  井谷徹(名市大) 4ページ

4.改訂版自覚症状しらべの現場応用  山本理江(松下電器産業) 4ページ

5.改訂版自覚症状しらべ用紙の実際と利用にあたって 瀬尾明彦(福井医科大) 2ページ

注)

○タイトルはあくまで案です。

○完全原稿を電子ファイルで3月10日までに提出する(できれば、2月末までに編集者に提出し、簡単な調整をして方がベター)。

○編集を酒井と井谷にお任せいただければ、各執筆者との連絡調整役をします。

○もちろん、最初か最後に、ワークショップのメンバー全員の名前を掲載します。その他の提案

5)上記以外に追加すべき事項があれば至急WG事務局まで申し出ていただき対応を考えたい。

(文責:城 憲秀)


【第7回「自覚症状しらべ」改訂ワークショップ】

 第75回日本産業衛生学会が神戸国際会議場で開かれ、特別報告としてワーキングメンバーの城憲秀世話人より、「新しい自覚症しらべの提案」と題し、これまでの経過報告と新調査票の提案がなされました。これに引き続き、自由集会で第58回の定例会が開催され、「自覚症状しらべ」改訂ワークショップが開かれました。城世話人よりこれまでの改訂経過についてさらに詳細な報告と、新調査票の提案がなされ、活発な議論が交わされました。

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