飲食店を禁煙にした店長さんに感想や悩みを語ってもらいました
*くまもと禁煙推進フォーラム会員による食べ歩き感想はこちら
▼ ラトリエ トゥ モンテ さん
禁煙のレストランを立ち上げた理由と実際の感想
私は調理の世界に入って、20年以上の経験になりますが 実は かなりのヘビースモーカーでした あまり 自身の健康や周りの事など、気にも留めず また 周りの喫煙率が高かった事もあり、たばこは体に悪い事は知っていましたが、止めようとは思いもしませんでした。
そんな私が、禁煙を意識しだしたのは 関東で働いた時の事でした 時節柄禁煙思考が高まっており 駅の構内や公共の場所、いろんな施設での禁煙・分煙を目にしてきました。また、九州と違い禁煙の飲食店なども多く、実際に利用してみると、なるほどとても快適であると感じる事が多々あり、とても共感がもてました。
それから九州に戻り、自分でレストランを出店するにあたって、全面禁煙のレストランにしようと決意し 自身も禁煙致しました。
実際に禁煙してみて感じたのですが、自分が思っていた以上に、煙・においは 吸わない人にとっては、公害以外のなにものでもないという事を思い知らされました。飲食店での匂い・煙、ひどいときは灰が飛び、料理の香りやワインの香りなど、まったく楽しめない。しかも、受動喫煙は不快感を与えるだけでなく、実際に他の人の健康を間違いなく害しているという事実、禁煙の飲食店がまだまだ少ない熊本で、どうしても安心して、食事と空間を愉しんで頂く場所を提供したい、お客様に本当の料理やワインの香りを愉しんで頂きたい、そんな思いからこのレストランを作り上げました。
実際にレストランをオープンさせてみて、一抹の不安はありましたが、実際には概ね厚意的に受け取って頂いていると思います。しかし、禁煙と知らずに来店されて、席に付いたあとお帰りになったり、不愉快な言葉をおっしゃるお客様が居た事も事実であり、まだまだ熊本では、完全禁煙というスタンスは、特にお酒を扱うシーンではマイナスの要素が強いように感じます。
ですので、今回こういう形で熊本禁煙推進フォーラムという素晴らしい団体に出会い、そして、熊本の街をもっともっと良くするお手伝いが出来る事は、本当に頼もしく、当店としてもお客様の健康の為、全ての人たちが気持ちよく食事や会話が出来る環境を作り、守っていきたい、お手伝いしたいと考えています。
▼ ボッカ・ルーポ さん
この仕事を始めて今年で10年目です。以前はサラリーマンでした。当時はタバコの規制がほとんど無く、職場は一日中紫煙が滞留し、すえた臭いが立ち込めていました。したがって、目はシパシパ、鼻から気管支にかけて強い刺激臭を受け、ゼエゼエまるで拷問の日々でした。会社や労組に分煙、禁煙の申し入れをしても「タバコ煙が体に悪いという因果関係はない、そんな事より会社の「和」が大切だ」と随分と煙たがれました。本当に煙たがったのは私の方で、あべこべもいいところです。
1990年から大阪勤務となり、さっそくタバコレス大阪(現タバコレス)でボランティア活動を始めました。タバコ自販機の撤去運動、職場、公共施設、レストラン等の分煙、禁煙運動、5月31日の世界禁煙デーでは迷惑タバコ110番の電話相談、会員の受動喫煙裁判の支援などを行ってきました。分煙、禁煙運動が始まって30余年ようやく事の重大さが認識されるようになりました。最近では健康増進法が追い風になっていろんな分野で浸透し始めたようです。
私は96年秋会社を辞め、イタリアへ渡り3年ほどFirenzeで料理の勉強をしました。帰国後、念願叶い完全禁煙の店を持つ事ができました。思うに、いくらいい食材を使い健康的で美味しいでしょうと云っても、紫煙という毒ガスの立ち込めたところでの食事など不健康そのものです。お客様の健康と安全あっての商売です。空気の美味しい店をどんどん増やしていこうではありませんか。
<店長さんより>ボッカ・ルーポの紹介
ボッカ・ルーポは味噌天神より九学通りへ入り約80m右側にあります。イタリアの国旗が目印です。玄関のプランターにはハーブ類、オリーブの樹の植込みがあり、店の中はイタリアの国旗の3色(赤、緑、白)をイメージしたすっきりとした内装で、壁にはイタリア各地の写真が飾られ落ち着いた雰囲気です。席はカウンター5名、テーブル3席14名とこじんまりとした静かな店ですが、イタリアの音楽を聞きながらゆっくりと食事と会話が楽しめます。将来はカンツオーネの夕べなど企画したいと思っています。昼のサービスランチはパスターにコーヒーとサラダが付いて1000円です。(日・祝日を除く)夜のおまかせは要予約で3500円〜です。アラカルトもあります。
食材はなるべく地産地消のスローフードを使うよう心掛けています。又、月、1〜2回料理教室も行っています。店でお出しする珍しいものとして、熊本の山で採れる「きのこ」料理もあります。やまどりたけもどき(フンギーボルチーニ)など10月頃から栗、ギンナンのパスターも出します。ご来店お待ち致しております。
▼ BIO SALUTE(ビオ サルーテ) さん
当店は、オーガニックイタリアンとして胸を張って「完全禁煙」のレストランを開店しました。しかし、特に夜の時間では、「禁煙」と聞くと帰ってしまわれるお客さまや、中には文句を言われるお客様もおられました。
そのような状況で、分煙にしたらどうか?時間帯禁煙にしたらどうか?という声がスタッフから出てきました。内部でも話し合う中で、なぜ「禁煙にする必要があるのか?」との疑問もあり、病院の禁煙指導薬剤師さんに、「たばこの害」について、スタッフへの研修を行ってもらいました。
たばこは良くないと知っていましたが、かなり衝撃的な内容で、やはり私たちはお客様の命・健康を一番に考える飲食店でありたい!と改めて決心しました。
私たちは賢く食べてきれいに健やかに「賢食」の提案を行っています。ただ「美味しい」のお店だけではなく、身土不二(身体と大地は二つでなく、一つ)、ホールフード(一物全体)という食養生の知恵を調理に活かし、自然と人が調和する食をめざして、いつもクリーンな空気の中で 食材本来の味や繊細な味付けを五感で堪能してください。煙草ストレスのない環境に身体が喜び、食べ物の栄養とエネルギーをしっかりと吸収してくれることと思います。口に入れるものを選ぶことと、害の少ないクリーンな環境に身を置くことは、延いては健やかで美しい身体づくりにつながると私達は考えています。
【賢食の提案】
@季節の野菜をちゃんと食べる
寒い時期は体を温める作用の野菜を食べる。暑い時期は体の熱を逃がす作用の野菜を食べる。 A健康を損なう食べ物を減らす
体に負担を掛ける食べ物を減らす。体に負担を掛けない食べ方をする。
B人と自然の調和を考える 人が安心して生きていくための環境改善
▼ コリアンキッチン カジャ アリラン さん
イオンモール熊本クレアでは、オープンから施設内の全テナントが禁煙との取り決めが成されていました。当店、コリアンキッチンカジャ店の全席禁煙もそれに準じたこととなっています。
しかしながら、お客様のニーズに合わせ、禁煙席を設けているテナントもいくつかありました。確かに、焼肉屋(全テーブルに吸気口を設けている)で喫煙できないのは考えられないとのクレームは数多くありますし、来店後にお帰りになられるお客様もいらっしゃるのは事実です。業界としてもまだまだ、全席禁煙体制は珍しいことと思います。
当店の禁煙活動に掲げる体制としては、少数意見(禁煙を望むお客様)の尊重、また喫煙に対する世論が変化しつつある世間の認知に合わせた店づくりに協力していきたいとの思いからです。
また、発想の転換として、焼肉屋で全席禁煙を望むお客様が一人でもいらっしゃるならば、そのニーズに応えていきたいという思いから完全禁煙席のまま現在に至っております。
▼ Wine Bar ソムリエタナカ さん
当店は熊本ではまだ珍しいワインバーです、上通の並木坂に店をOPENさせていただいて約5年になります。はじめの1年は喫煙OKでした、経営者としてお酒を提供するバーで禁煙にする勇気は当初ありませんでした。すると お客様からよく「タバコは吸えるのですか?」と尋ねられるようになり、もしかしたらと思い灰皿も希望されるまでカウンターやテーブルに置かず、約3ヶ月間実験してみました。
売り物が「ワイン」という特殊性と時代の流れからか 店内での喫煙率はかなり低くなり新規のお客様などは、ここは禁煙なのかと思いタバコは吸うのを躊躇されたそうで、これはいけると判断し2年目を過ぎた1月2日の新年営業日から店内禁煙に踏み切りました。しかしながら気になるのが今までご愛顧いただいたお客様の中にも多くの愛煙家の方たちがいらっしゃいます。この方々には正直申しわけない気持ちがいっぱいでした。ですので、こちらの譲歩として玄関外に灰皿を置かせていただき狭い通路ではありますが喫煙スペースを設けました。現在でもご来店いただいているお客様の約2割の方々は喫煙者ですがマナーは守っていただいており、大変感謝しております。
自分自身もタバコを吸った経験もありませんし、禁煙を推進するのは大賛成ですが、喫煙者の皆さんを敵視しているわけではありません。受動喫煙の問題など神経質になり過ぎると、防毒マスクでもして歩かない限り完全禁煙など無理ではないかとも思います。他、吸殻などを路上に捨てるマナー違反などさまざまな問題はあるかと思いますが、禁煙を推進する側も「タバコ=悪」などあまり過敏になりすぎずに、時には愛煙家の声にも耳をかたむけて理想の共存社会が出来上がることを希望します。
▼ 自然食|田園キッチン さん
健康増進施設の中にある「自然食バイキング」のレストランです。 「食」を通して健康づくりをコンセプトに、館内全面禁煙はもちろん、平成18年からは敷地内禁煙にし、お客様の健康づくりをサポートするため、スタッフ一同日々努力を重ねているところです。
私たちはマクロビオティックや食養生の考え方をベースに取り入れ野菜と穀物を中心に料理を提供しています。禁煙にしているのは受動喫煙によって健康を損ねないようにすることが、もちろん第一ですが、マクロビオテックの場合には、肉類や魚類はあまり使用しませんので、自然の味を楽しんでいただくためには、煙草で味覚が鈍ったり、煙草の煙が店内にあっては自然の味を本当に味わっていただくことはできないことも理由のひとつです。
また、健康増進施設ということから、月に数回健康に関する講演や研修会を行っています。そのなかでも「たばこの害について」という内容での研修会を開催して、お客様や地域の方々に、私たちが求めている食と健康について理解して頂けるよう努力しております。
今後も、未来の子供たちの健全な成長を願い、食育を推進し、また、ご利用いただく皆さまの健康増進のためにきれいな空気で食事を楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。
▼ 葺屋(ふきや) さん
当店が禁煙に踏み切って、一年と数ヶ月が経とうとしています。開業以来悩まされていた煙草の煙と臭いでしたが、今つくづく「禁煙にして良かった!何でもっと早く決行しなかったのだろう」と実感しています。
禁煙にできなかった理由はまず売上への影響を考えたからです。只でも不況の折、その上喫煙家のお客様が離れていくとなると考えただけでも恐ろしい気がしました。そして何よりも今迄ご愛顧頂いて来たその方々のお気持ちを思うと容易く一歩を踏み出す訳にはいかなかったのです。
そのようなある日、喫煙家の方々が勢揃いしたカウンター内で、密かに煙と格闘していた私の体に異変が起こりました。味が全く分からなくなったのです。料理人にとってこれ以上のタメージはありません。もう限界だ、と即座に店内禁煙を決意しました。
「案ずるより産むが易し」。あれ程心配していた諸々の結果は昨今の禁煙ブームのお陰でしょうか、致命的には至らず、むしろ喜んで下さるお客様の方が多く、特に私達店側の人間にとって、きれいな空気の中で、健康面での不安なく働ける事がこれほど楽しくて幸せとは大きな発見でした。
同じように禁煙にするかどうか迷っていらっしゃる方、周囲は貴方の勇気と決断を待っていますよ。
(平成21年4月7日 ご寄稿いただきました)
▼ 熊本禁煙推進フォーラム案内
▼ 活動記録・禁煙講演
