スウェーデン日記

No.33 帰国

2003/04/30


2月中旬のストックホルム。大雪は降るし、気温も氷点下。けれども日差しだけは日に日に長く、明るくなって来る時期。

メラーレン湖の氷が溶け始めました

4年間にわたるスウェーデンでの滞在を終え、いよいよ去るときが来ました。毎日が人と会う約束で一杯です。多くの気に入っていた持ち物に別れを告げ、友人にあげたり安く譲りました。誰が、どんなものを気に入ってくれるかなぁ、と考えるのは、まるでクリスマスシーズンのような気分です。そして、譲った品物を友人達が気に入ってくれるのを見るのは、悪くないものです。日本に持って帰る荷物は梱包され、発送されました。残念だったのは、友人に売るには古すぎるけれども、まだまだ使えるものをいっぱい捨てなければならなかったことです。そうでもしなければ、いつまでたっても帰国の途につけなかったでしょう。

帰国の準備は、出発直前まで終わりませんでした。友人達はみな、親切に手伝ってくれました。住み慣れたアパートをいよいよ去る瞬間には、けっこうしんみりとしてしまいました。大家さんも別れを惜しんでくれました。飛行機に乗り込むころには、もうへとへとです。そして、私が乗った飛行機は、アーランダ空港を離陸しました。さようなら、スウェーデン。

日本までの長時間の飛行中、私はほとんど意識がなく、ふと気がつくと、飛行機は日本への着陸準備を始めたていました。そして、成田空港に着陸。

日本に着くとすぐに、慌ただしい日々が始まりました。東京から新しい職場のある大阪に移動して、部屋探しです。3月の末には、船便で送った荷物が届きました。そして4月に入ると、桜の花が満開で、日本に帰ってきたことを実感しました。

今でもときどきストックホルムの郊外の自宅へ家路を急いでいたり、ヨーロッパの街角をうろうろしている自分のことを夢に見たりします。欧州での生活が、まるで昨日のことのように思いだされます。そう、欧州の生活を名残惜しく感じているのは、事実です。一方で、大阪での新生活にも満足しています。今、私は成人の循環器内科と取り組んでいます。これは、ひとつの挑戦です。でも、とてもわくわくしています。私の冒険は、まだまだ続きます。


スウェーデン日記 目次に戻る

トップページに戻る

Copyright (C) 2003, Takashi Murata, All rights reserved