スウェーデン日記

No.30 秋の憂鬱を晴らすには

2002/10/23


今年の北欧の夏は記録的な好天に恵まれましたが、9月の中旬から一気に冷え込み、秋を通りすぎて冬に突入してしまった感じです。この時期、ストックホルムでは急速に日照時間が短縮していくだけでなく、まるで鉛色の雲が覆いかぶさってくるような曇天の日が多いので、季節性の鬱を発症する人も稀ではありません。また、作家の壇一男が秋にストックホルムを訪れた際に、お年寄りが行き倒れるのを立て続けに見てひどく驚いたことを「美味放浪記」に記していますが、この時期に体調を崩す人が多いのも事実です。

小雨模様のユルゴルデンにて

そんな、いまひとつ過ごしにくい秋ですが、晴れた穏やかな日に公園を散歩するのは、なかなか気持ち良いものです。ここでいくつか私のお勧めの散歩道を紹介しましょう。

まず、ストックホルムの町の東側にあるユルゴルデン。ユルゴルデンといえば、スカンセンのあたりの西側を訪れる人が多いですが、実は島の東側の部分が素晴らしいのです。ストックホルム中央駅前もしくはセルゲル広場からブロックフスウッデン(Blokhusudden)行きのバスに乗って、カークネスタワーを過ぎた辺りから、ここがスウェーデンの首都であることを忘れさせるような自然が広がっています。

乗馬する人もよく見かけます

次にお勧めなのが、スードラマルムの北西に位置するロングホルメンという島で、地下鉄Hornstull駅から10分ほど歩いたところにあります。この島の東側から眺める市庁舎・ガムラスタンの眺めは、なかなか見事です。この島には刑務所を改装したホテル・ユースホステルもあります。

秋の朝にはスルッセン越しに日の出を見れます

また、市庁舎からクングスホルメンの西に延びるメラーレン湖岸の並木道も、水辺の散歩にうってつけです。

市庁舎にからまる蔦が見事に紅葉しています

この他には、カロリンスカ病院のすぐそばのハガ公園や、ニューネスハームンに行く途中のチュレスタ自然公園をはじめ、緑の多いストックホルムにはさまざまな散歩道があります。さて、あなたは自分のお気に入りの散歩道を見つけることができましたか?


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