スウェーデン日記
No. 6 ストックホルムで見つけた日本文化
1999/11/07
10月29日から北野武監督の「菊二郎の夏」がストックホルムでも公開されました。北野監督はコメディアンであると同時に、ギャング映画の監督としても良く知られていますが、今回の映画はちょっと違います。母親を捜す少年とやくざの珍道中を描いたほのぼのとしたロードムービーです。こちらの複数の新聞でこの映画を紹介する記事が出ていましたが、この映画は日本の庶民の文化とライフスタイルを知る上でとても良い映画だと思います。
「菊二郎の夏」がかかっている映画館 "Grand"
ところで、日本風のデザインの食器や家具がストックホルムでちょっとした流行になっているようです。これらの多くはひらがなや漢字があしらわれているのですが、私たち日本人から見ると珍妙なものが少なくありません。それでも多くの人が日本文化に興味を持ってくださることは、とてもうれしく思われます。
オーレンス(ストックホルム最大のデパートのひとつ)のショーウィンドー
掛け軸の「床」という漢字が間違っていると思うのですが、、、、、
歴史的に、どうも日本に対しては、きわめて紋切り型のイメージが強かったような気がします。サムライとゲイシャがいっぱいいて、ハラキリとカミカゼですぐに自己犠牲に走り、極端なハードワークを愛する人が多く、トヨタやソニーといった工業製品の故郷。にもかかわらず、日本の文化や歴史が工業製品ほどよく知られていないことを残念に思います。
もっと多くの外国の方が日本を訪れて、本当はどんな国なのか、見てもらえたらな、と思います。過去の伝統は近代社会の背後で生き続けているのです。この観点からすると、「菊二郎の夏」は、外国の方に今の日本の工業製品以外の側面をざっと見回してもらうのにちょうどよい映画のように思われます。
Last Updated 1999/11/07
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