スウェーデン日記

No. 1 ストックホルムでの部分日食

1999/08/14


 1999年8月11日にヨーロッパから中近東にかけて皆既日食が観測されました。

 ストックホルムでは最大70%が欠ける部分日食だったのですが、幸い、当日は天気に恵まれたため、太陽が徐々に右下から欠け始め、最大時には下70%が欠け、その後、徐々に月の影が左下の方に移動しながら小さくなっていくのが、きれいに観察できました。おかげでこの間、研究所のスタッフの多くは、仕事が手に付かなかったようです(かくいう私もその一人)。ちなみに太陽を見たり写真を取るのに使った黒色フィルムというのは、実験用フィルムを真っ黒になるまで感光させてから現像したもので、普段の研究成果(失敗の経験?)が生かされたと言えましょう。

 

 1999/08/11 12:35 太陽が右下から欠けていきます

 1999/08/11 12:47 食が最大(70%)になったときの写真

KODAK DC20 digital camera にて撮影(黒色フィルターを併用)

研究所の外で日食を観察する同僚たち 

 

 ストックホルムでは、少し薄暗くなった程度でしたが、それでもいつもは飛び回っている野鳥の姿がまったく見かけられず、異様な静けさに覆われていたのが印象的でした。また、今回の皆既日食はインターネット中継でも見ることができ、特にイランからの中継は見事なものでした(イラン出身の同僚たちが大喜びしていたのは、言うまでもありません)。

 話が変わりますが、ストックホルムに住んでいてつねづね思うのは、北斗七星の位置が非常に高いことです。ストックホルムの緯度は北緯59度ですから、北極星なども天頂に近いところに見えます。

 6月から7月にかけて、ストックホルムでは夜空が完全に暗くならない白夜が見られましたが、8月に入って一気に宵闇が帰ってきました。当地では日照時間と比例して気温が下がるとのことで、すでに秋の気配がただよっています。私も電気屋に行って、部屋の照明器具を買い増しました。

 ちなみにストックホルムでも、数年に1回程度、冬場にオーロラが観察できると研究所の同僚が話していました。今年の冬は、ぜひ、北極圏の方まで出かけて、オーロラを肉眼で見てみたいものだと思っています(しかし寒そう)。

 


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Last Updated 1999/08/14

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