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落下係数

----------クライマーの墜落衝撃力を考える----------

スタティックビレイ(静的確保)によって確保された条件で、墜落者が受ける衝撃力を求める計算式は国立登山研修所の確保理論テキストに示されています。その計算式は1947年に米国の数学者でありクライマーであったアーノルド・ウエクスラーによって発表された式である、と記述されていますが出典は不明です。同じ計算式を Stephen W. Attawayが導き出し方を解り易くに説明しています。その計算式は位置エネルギーが、運動エネルギーとロープが伸長する弾性エネルギーに変換される原理に基ずいて計算され、ロープの最大張力を衝撃力と定義して計算式ができます。この理論では制動時間Δtを推定する必要がありません。

実際には衝撃力は制動時間Δtを推定することは難しい。私は制動時間Δtを考えて、運動量を変化させる力Fが制動時間Δt働いた場合を想定して墜落をモデル化して、その力Fを衝撃力として定義した考察してみました。「Miuraの計算式」では、衝撃力は落下係数(落下距離h、繰り出されたロープの長さLとして、h/Lを落下係数と定義する)の一次関数として単純化できました。Miuraの計算式を導くために制動距離lを繰り出したロープの長さLに比例定数rを掛けた一定の値で概算しています。実際には制動距離lはクライマーの体重や落下距離hの関数値として扱う必要がります。このよに概算値を使って式は単純化されているので、落ちてすぐにロープに荷重がかかり始めるような落下係数=0の墜落条件では、F=0と計算されてしまいます。

実際に、落ちてすぐにロープに荷重がかかり始める落下係数=0の墜落では、ロープには力が加わります。「Attawayの計算式」はこのようなFall Factor Zeroと称される墜落でも成立して、F=2×mg(体重の2倍)の力が作用することが算出できます。


2013年11月2日
三浦 裕
名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学
愛知県山岳連盟所属 社会人山岳会 チーム猫屋敷


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(Last modification, November 2, 2013)