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ロープは直線的な状態を保つ「硬さ」がある。しかしフリクションノット(プルージュック、オートブロックなど)で、巻き付けるロープは「柔らかい」方が使い易い。ロープは内部の白い芯(コア)と周囲をメッシュ状の鞘(シース)の2重構造になっている。ロープの芯(コア)を 30%短くして、鞘(シース)を弛ませると柔らかいロープが出来上がる。
使用するロープ径には議論がある。私は口径5 mmのロープを使う。500 Nの耐荷重があるので懸垂下降のバックアップ用として静的条件では十分な強さがあると考えた。しかし国際山岳ガイド・フランス国家資格山岳ガイドである江本悠滋氏は口径5 mmでは弱過ぎる。口径7 mmは必要だと言う。その理由は「懸垂下降した直後にトラバースが必要な場合に、オートブロックで確保しながら上下に動くことがある。確保器を装着したままだと自由に動きにくいので、下降点に到着するとすぐに確保器を外すことが多いのでオートブロックだけで確保された状態になる。この状態で転落すると口径5 mmのロープでは危険だ。ロープ全体の耐荷重が500 Nで強度に余裕がありそうだが、直線状の部分は強くても結び目で屈曲する部分はるかに弱く切断され易い。そんな所でけちる必要はないので口径7 mm以上ロープを使って安全を確保することを薦める。口径7 mm以上ロープならアンカーにも流用できる。携行する際に短いループだとかえって収納に困る。60 cmのループで肩から襷掛けに掛け運ぶ。冬にメインロープが凍ると太くなるので、ぎりぎりの小さいループではフリクションノットができないことがある。登山中では応用範囲の広い装備を携行したい。」と話していた。「ただし、バックアップ専用の小さなループ状のロープを安全環付カラビナとペアでビレーループにつねに装着しておけば、セットアップに5秒しかかからないから便利かもしれません。」とも話ていた。
2013年11月11日
三浦 裕
名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学
愛知県山岳連盟所属 社会人山岳会 チーム猫屋敷
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