Yutaka Miura's home page
(the third page level)

懸垂下降に用いたロープを回収する登山装置

考案の名称
本考案は、ロッククライミングや遭難救助で行われる懸垂下降を完了した後に、確保支点に掛けたスリングとメインロープを同時に回収することを可能にする装置に関するものである。

背景技術
懸垂下降はロープを使って高所から下降するロッククライミングおよび救助活動の基本技術である。懸垂下降で転落を防ぐためにメインロープは下降開始地点に確実につなぎ止める必要がある。岩に打ち込まれた金属製のボルトハンガーや自然木および突出した岩などが、メインロープをつなぎ止める支点として選ばれて、確保支点と称される。メインロープをボルトハンガーや、表面が粗な岩や樹木に直接掛けると、引き下ろす際に大きな摩擦抵抗が生じて回収が難しい。大きな摩擦抵抗はメインロープを損傷する危険性もある。そこで確保支点にはスリング(リング状の補助テープ)または補助ロープを掛けて、カラビナを介して間接的にメインロープを掛ける方法が普及している。しかしメインロープを回収した後にスリングとカラビナが確保支点に取り残される(残置される)問題が生じる。残置されたスリングは紫外線や風雪に暴露される間に風化して強度が低下するので、一般にはクライマーは再利用しない。クライマーは新しいスリングを毎回確保支点に加えて懸垂下降をする結果、古いスリングが懸垂下降点にゴミとして蓄積する。ゴミを減らすためにも残置なしでメインロープを回収する意味は大きい。その方法として、引くだけで解除可能な補助ロープの結び方の支点回収術が知られている。ただし、結び方を間違えると、懸垂下降途中で結び目が解けて、致命的な転落事故に至る危険性がある。このような危険性が予想されているために、引くだけで解除可能な補助ロープの結び方の支点回収術は一般の登山者に普及していない。

実用新案登録(説明図付き)

三浦 裕
名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学准教授
名古屋市立大学蝶ヶ岳ボランティア診療所 開設者
愛知県山岳連盟所属 社会人山岳会 チーム猫屋敷


to top menu of Yutaka Miura's Home Page

Please forward all comments, suggestions, or corrections to Yutaka Miura
(Last modification, Oct 21, 2016)