AS ONE(TL3633)の温度記録装置をヒュッテ西側の太陽パネルの下の岩礫のに設置し、プローブを岩で押さえて屋外の温度記録を1時間ごとに測定した。プローブ部分は岩の間で無事であったが、記録装置との接続コードが途中でナイフで切ったようにきれいに切断されていた。装置本体は発砲スチロールの箱で保護されて無事であったが、岩礫で押さえてあったが周囲が氷で固まって、簡単には箱を取り出せない状態であった。装置を回収して内部データを読み取ると、2007年2月2日-20.2℃、2月29日-20.1℃、3月7日-20.3℃を含む3月31日23:00時までの記録が残されていた。しかし4月1日午前0時以後の記録が突然消えていた。この記録から接続コードの断裂は、、4月1日午前0時に発生したことが推察できる。記録が途絶える直前の数時間は0℃が一定して記録されている。さらにその数時間前は-5℃の状態が数時間継続していたことが記録されている。この安定した温度変化は接続コードが氷の中に埋没していた状態があり、次にその氷が一部融け始めたところで強風の影響で氷が割れ、その際に割れた氷がナイフのような剪断力を接続コードに与えて切断されたことが推察される。
2007年5月4日の夕陽。太陽が西側の穂高連峰に沈みつつある。大キレット部分の空に夕焼けが始まっている。実際にこの写真を撮影した時は風速30−40m/secの激しい風が吹き荒んで非常に寒かったが、写真として眺めると不思議にBGMとしてBeethoven 交響曲 第6番「田園 」第5楽章「牧人の歌、嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」Hirtengesang, Frohe, dankbare Gefuhle nach dem Sturmが似合う。この前夜、我々は徳沢の岸壁に響き渡る凄まじい雷鳴に起こされたことを思い出す。ただし雷鳴の最中に第4楽章「雷雨、嵐」Gewitter, Sturmを思い起こす余裕はなかった。