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雪山はどこでも自由に歩ける天国である。しかし道標などの人工物はすべて埋れてしまっているので、道にに迷いやすい危険な世界でもある。コンパスと尾根筋と谷筋の相互関係だけが頼りになる。天気さえよければ木々の葉は落ちて見通しがよいので周囲の地形を把握し易い。
アイスクライミングを楽しむには、雪山の奥深くに形成される氷瀑を見つける必要がある。そこまでトレースがある場合もあるが、降雪後ならまったくトレースも消える。自分で方向を定めて真っ白な雪の上を進むことになる。私はこの3月に八ヶ岳のジョウゴ沢にできる氷瀑群を探しに出かけた。初めて行く場所であったので、あらかじめ国土地理院の地形図を調べてみた。Web上で自由に検索できるデジタル地図は便利だが、販売されている国土地理院の地形図と偶然比較してみたところ、非常に印象が違うので興味を持った。デジタル地図は等高線による表現が主体で、岩場などの地形的特徴がかなり省略されている。
ゴルジュを越えた先に「乙女の滝」があることは広川 健太郎著「アイスクライミング 全国版 (クライミング・ガイドブックス) 」白山書房(1997/11/25)に掲載されている概念図には明確に示されていいる。その概念図のイメージ通り、私は初めて訪れた場所であったが、この氷瀑を見た瞬間に「乙女の滝である」ことを確信できた。
この日は雪が多く、ジョウゴ沢の下流域にある小規模な氷瀑はすべて深い雪に埋まっていた。新雪をラッセルして標高2400 mまで登って初めて突然落差20mの「乙女の滝」が見えた時は嬉しかった。私は山岳会メンバーの3人で、さらに上流にある「ナイアガラの滝」まで登ってアイスクライミングを楽しんだ。
2014年3月19日
三浦 裕
名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学
愛知県山岳連盟所属 社会人山岳会 チーム猫屋敷
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