一、底本には鄧珍本、対校資料は無名氏本・兪橋本・徐鎔本・趙開美本を用いて校勘を行った。字句の意味が変わる異同を校記の対象とし、明 らかに 鄧珍本が正しい場合は校記しなかった。
二、『金匱玉函要略輯義』(以下『輯義』)『金匱玉函要略述義』(以下『述義』)は『金匱』の諸注釈書も校勘に利用しているが、本校記で は使用しなかっ た。
三、表記法について
① 第1列は鄧珍本における字句の所出箇所の表示で、巻、葉、オモテ・ウラ、行次で表した。たとえば上-23a-10は巻上第23葉オモテの10行目であるこ とを示す。
② 第2列は校勘を行った字句である。原則として句単位で表示し、断句は『輯義』にしたがった。細字双行注および細字の記載(配剤薬の分量)はカッコ( )内 に示した。また墨丁は■、空格は□で示した。
③ 第3列は校記である。まず他の古版本四種との異同を記述し、必要に応じ他書との比較も示した。原則として異同の是非は判断しないが、『輯義』『述義』『金 匱要略札記』(以下『札記』)に判断がある場合はそれを引用した。
④ 校記は『輯義』『述義』『札記』にならい、用語を以下のように統一した。
鄧珍本葉次 |
鄧珍本の字句 |
考異 |
---|---|---|
上-1a-10 |
補用醋 |
無名氏本・兪本も同。徐本・趙本は「醋」を「酸」に作る。 |
上-1b-11 |
不遣形体有衰 |
趙本も同。無名氏本・兪本・徐本は「遣」を「遺」に作る。 |
上-2b-2 |
少陰之時 |
趙本も同。無名氏本・兪本・徐本は「陰」を「陽」に作る。『注解傷寒
論』も「陰」を「陽」に作る。 |
上-2b-12 |
知身和汗自出 |
無名氏本も同。兪本・徐本・趙本は「知」を「如」に作る。 |
上-3a-7 |
{殸+禾}飪之邪 |
趙本も同。無名氏本・兪本・徐本は「飪」を「飥」に作る。『輯義』は
「{殸+禾}飥、趙本作{殸+禾}飪、是」とする。 |
上-3b-13 |
(一云、其脉滄滄) |
兪本も同。「滄滄」を無名氏本・徐本は「浛浛」に、趙本は「浛」一字に
作る。 |
上-7b-12 |
右先以水洗百合潰一宿 |
無名氏本も同。兪本・徐本・趙本は「潰」を「漬」に作る。 |
上-9b-1 |
苦参湯洗之 |
諸本みな配剤薬の記載を欠く。徐本附遺は『傷寒総病論』収載の苦参湯を
載せる。『輯義』に説あり。 |
上-9b-10 |
当帰 |
諸本みな分量記載を欠く。徐本附遺は『傷寒総病論』を引き「当帰(一
両) 千金作三両」とする。 |
上-10a-9 |
証二条 |
諸本みな同じ。『述義』は「按此上、当脱脈字」とする。 |
上-10b-7 |
附膠 |
無名氏本・兪本も同。徐本・趙本は「阿膠」に作る。 |
上-10b-13 |
名曰癉瘧 |
鄧本は版木の摩耗により不鮮明。徐本・趙本は「名曰癉瘧」に作る。無名
氏本・兪本は「癉」を空格とする。 |
上-12b-13 |
(瘈瘲日数十発) |
鄧本は版木の摩耗により「発」字が不鮮明。無名氏本・兪本・趙本は
「発」を「後」に作る。徐本・『幼幼新書』は「瘈瘲日数十発」に作る。 |
上-12b-13 |
(巣■脚気宜風引湯) |
無名氏本・趙本は「巣□脚気宜風引」に作る。兪本・徐本は「巣氏云脚気
宜風引湯」に作る。『幼幼新書』は「巣源脚気宜風引湯」に作り、鄧本の字数と合う。 |
上-13a-1 |
防已地黄湯、治病如狂状、妄行独語不休、無寒熱、其脉浮 |
鄧本は版木の摩耗により「防已地黄湯」以下が不鮮明。今、諸本により補
う。 |
上-13a-2 |
防已(一分) |
本処方の分量記載における「~分」を、無名氏本・兪本・趙本は尽く「~
銭」に作る。徐本は鄧本と同じ。『輯義』は「趙本、分並作銭、非」とする。 |
上-13b-1 |
身体魁瘰 |
無名氏本・兪本・徐本は「身体{鬼+王}羸」に作る。趙本は「身体魁
羸」に作る。『輯義』『述義』『札記』に説あり。 |
上-14a-8 |
古今録験続命湯 |
無名氏本・趙本も同じ。兪本・徐本は「附方」二字あり。 |
上-14a-12 |
芎藭 |
諸本みな分量記載を欠く。『札記』は「外台一両、千金三両、外台似是」
とする。 |
上-14b-6 |
麻黄(五分) |
無名氏本・兪本はこれ以下、方後の文章まで本処方の「~分」を「~銭」
に作る。徐本・趙本は鄧本に同じ。 |
上-16a-9 |
龍骨 牡蠣 |
徐本・無名氏本(写本)には「各三両」がある。他の諸本には分量記載な
し。 |
上-16b-2 |
苦腸鳴 |
無名氏本・趙本も同。兪本・徐本は「苦」を「若」に作る。 |
上-21a-3 |
小青龍加石膏主之 |
諸本は「主」字上に「湯」がある。 |
上-21a-4 |
(外更加脇下痛引缺盆) |
徐本・趙本も同。「更」字を無名氏本は空格とし、兪本は「臺」に作る。
『札記』は「按兪本、外更作外臺。今攷外臺、与原文頗同、知兪本非是」とする。 |
上-21a-13 |
甘草 |
諸本みな分量記載を欠く。徐本附遺は『千金』により「甘草(二両)」と
する。『札記』は「按此方本出于肘後方巻三。…按肘後千金用二両、外台引千金同、千金翼用三両」とする。 |
上-23a-7 |
証一首 |
兪本は「脉証一条」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。 |
上-24a-7 |
(不差更服) |
無名氏本・趙本も同。兪本・徐本は大字の本文とする。 |
上-24a-10 |
(胸中福福如満噎塞) |
「福福」、無名氏本・兪本は「福海」に作り、徐本・趙本は「愊愊」に作
る。 |
上-24b-11 |
(不知稍加服) |
無名氏本・趙本も同。兪本・徐本は大字の本文とする。 |
上-25a-9 |
実者為実 |
他の諸本および『注解傷寒論』は「痛者為実」に作る。 |
上-25b-2 |
心下則痞 |
徐本も同。無名氏本・兪本・趙本は「痞」字下に「也」字あり。 |
上-26a-5 |
温分一升 |
兪本も同。無名氏本・徐本・趙本は「分」を「服」に作る。 |
上-26a-13 |
大承気湯方 |
徐本は「(見痓病中)」として、配剤薬を提示しない。 |
上-27a-5 |
半夏(四両洗。一方用佳) |
無名氏本・兪本・徐本・趙本は「佳」を「桂」に作る。 |
上-27a-6 |
右六味 |
趙本は「右四味」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『札記』は「按千金赤
丸、更有桂心四両、附子二両、射罔加大棗一枚、去半夏、合為六味。又巻九傷寒所載神丹丸、亦用附子、烏頭、人参、茯苓、半夏、朱砂、為六味。方後云。要略
用細辛、不用人参、別有射罔棗大一枚。名赤丸、主寒気厥逆。由是観之、本経旧本疑有射罔、合朱砂而為六味。趙作四味者、恐後人所改、未必是」とする。 |
上-27a-9 |
若発則白汗出 |
趙本も同。無名氏本・兪本は「苦発則白汗出」に、徐本は「苦発則白津
出」に作る。 |
上-27b-12 |
烏頭 |
諸本みな分量記載を欠く。『札記』は「千金作秋乾烏頭実中者五枚除去
角。外台作秋烏頭実中大者十枚。按千金賊風門烏頭湯即本方、而烏頭用拾伍枚、云要略用伍枚。是知原本脱枚数者、当用五枚為是矣」とする。 |
上-27b-13 |
以桂枝湯五合解之。令得一升 |
鄧本は版木の摩耗により「令」が不鮮明。無名氏本・兪本は「令」を欠
く。 |
上-28b-9 |
脉数而滑者実也 |
鄧本は版木の摩耗により「也」が不鮮明。無名氏本・兪本は「也」を欠
く。 |
上-28b-10 |
下利不飲食 |
徐本は「飲」を「欲」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『述義』は「兪
本、趙本、欲作飲、誤」とする。 |
上-28b-10 |
有宿食也。當下之 |
鄧本は版木の摩耗により「當」が不鮮明。無名氏本・兪本は「當」を欠
く。 |
上-29a-4 |
(亡血及虚者不可与之) |
諸本みな細字双行文とする。『輯義』は「今拠傷寒論大書」として、大字
の本文とする。『札記』も「按原為細注、誤」とする。 |
中-1b-1 |
(臣億等校諸本旋復花湯方皆問) |
諸本みな「問」を「同」に作る。 |
中-2a-13 |
上焦受中焦気未和 |
諸本みな同。『注解傷寒論』は「中焦気」下に「中焦」二字あり。『札
記』は「成氏傷寒論平脉法注、引金匱要略、中焦気下、更有中焦二字。按平脉法云。三焦不帰其部、上焦不帰者、噫而酢呑。中焦不帰者、不消穀引食。下焦不帰
者、則遺溲。由是攷之、本条混上焦中焦而説之。疑脱中焦竭一証」とする。 |
中-2b-1 |
故能噫耳 |
諸本みな同。『注解傷寒論』は「能」を「令」に作る。 |
中-3a-12 |
皆大下後□虚 |
無名氏本・兪本も同。空格部分を徐本は「喜」に、趙本は「善」に作る。
『輯義』は「沈徐、無喜字。程魏金鑑作大下後裏虚」とする。『述義』は「朱本、亦無喜字」とする。 |
中-3b-7 |
(方見脚気中) |
趙本も同。無名氏本・兪本は「脚」を「胸」に作る。徐本は「(方見婦人
雑病中)」に作る。 |
中-5a-1 |
人参 |
無名氏本・兪本・徐本みな分量記載を欠く。趙本は「人参(四両)」に作
る。 |
中-6a-1 |
以七升、煮取一升五合、分温再服 |
鄧本は版木の摩耗によりこの箇所が不鮮明。「以七升」を無名氏本・兪本
は「水七升」に、徐本・趙本は「以水七升」に作る。 |
中-6a-2 |
吐涎沫而癲眩此水也 |
鄧本は版木の摩耗によりこの箇所が不鮮明。無名氏本・兪本は「癲眩」を
空格とする。 |
中-6b-6 |
(方見上、及肺癰中) |
無名氏本・兪本・趙本は「及」を「文」に作る。徐本は「(方見上)」の
み。 |
中-8a-2 |
心中疼熱飢 |
鄧本は版木の摩耗によりこの箇所が不鮮明。無名氏本・兪本は「心中疼熱
熱」に作る。 |
中-8a-3 |
而遅浮 |
鄧本は版木の摩耗によりこの箇所が不鮮明。「遅」を無名氏本は「連」
に、兪本は「運」に作る。 |
中-9a-5 |
右三味 |
諸本みな方後の指示を欠く。 |
中-9a-11 |
内膠烊消 |
趙本も同。無名氏本は「内膠洋酒」に、兪本・徐本は「内膠洋消」に作
る。 |
中-10a-5 |
(方見下) |
徐本は「(方見中風)」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。 |
中-11a-8 |
当先攻撃衝気令止 |
趙本も同。無名氏本・兪本・徐本は「衝」を「衛」に作る。 |
中-11a-11 |
防已黄耆湯方 |
徐本は「(方見湿病中)」とし、配剤薬を示さない。他の諸本は鄧本同
様、配剤薬を示す。 |
中-12a-3 |
(又見脚気中) |
徐本は「(又見中風中)」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。 |
中-12a-8 |
無水虚脹者為気、水発其汗即已 |
鄧本は版木の摩耗により「発」が不鮮明。無名氏本・兪本は「発」を欠
く。 |
中-13b-5 |
桂枝 |
無名氏本・兪本は分量記載がない。徐本・趙本は「桂枝(三両)」に作
る。 |
中-13b-12 |
即当散也 |
鄧本は版木の摩耗により「散」が不鮮明。無名氏本・兪本は「散也」を欠
く。 |
中-14b-3 |
請言了 |
無名氏本・兪本も同。徐本は「靖言了」に、趙本は「請言小」に作る。
『札記』は「趙本了作小、似属下句、恐非。脈経千金作靖言了了。外台引千金、作静言了了、並是」とする。 |
中-14b-4 |
心中熱欲嘔者 |
徐本は「嘔」を「吐」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『輯義』は「吐、
趙本作嘔、非」とする。 |
中-14b-8 |
而黄肚熱 |
趙本も同。無名氏本・兪本・徐本は「而」を「面」に作る。『札記』は
「趙本脈経、面作而、似是」とする。 |
中-14b-9 |
燥不得睡 |
徐本は「燥」を「躁」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『札記』は「趙
本、躁作燥、恐非是」とする。 |
中-14b-11 |
反極為難治 |
徐本は「極」を「劇」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。 |
中-16a-2 |
自汁出 |
無名氏本・兪本・徐本・趙本は「汁」を「汗」に作る。 |
中-16a-9 |
(方見消渇中) |
趙本も同。無名氏本・兪本は「渇」を「暍」に作る。徐本は「(方見痰飲
中)」に作る。 |
中-16a-10 |
諸黄 |
趙本も同。無名氏本・兪本・徐本は「黄」を「労」に作る。『札記』は
「趙本労作黄、宜従而改」とする。 |
中-16b-7 |
師曰、尺脉浮 |
徐本も同。無名氏本・兪本・趙本は「尺」を「夫」に作る。 |
中-16b-10 |
病人面無色 |
徐本は「無」字下に「血」字あり。他の諸本は鄧本に同じ。『札記』は
「趙本無血字、非」とする。 |
中-17a-4 |
此為陰状 |
徐本は「状」を「伏」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『輯義』は「陰伏
之伏、趙本作状、非」とする。 |
中-18b-1 |
濇則傷脾 |
趙本も同。他の諸本は「濇」を「虚」に作る。『札記』は「趙本虚作濇、
脈経千金作渋。並是」とする。 |
中-19b-13 |
大半夏湯方 |
鄧本は「大半夏湯方」を欠く。 |
中-20a-1 |
取升半 |
他の諸本は「升」字上に「二」字あり。 |
中-20a-13 |
兼主微風脉腎頭痛 |
趙本も同。「腎」を無名氏本・兪本は「者」に、徐本は「緊」に作る。 |
中-20b-12 |
生姜半夏湯方 |
鄧本は「生姜半夏湯方」六字を欠く。 |
中-21a-8 |
大棗(三十个) |
他の諸本は「个」を「枚」に作る。 |
中-21b-7 |
病人必微熱 |
徐本は「熱」を「厥」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『輯義』は「案厥
趙本作熱、非」とする。 |
中-22b-1 |
(得利則止) |
徐本は大字の本文とする。他の諸本は鄧本に同じ。 |
中-22b-7 |
熱利重下者 |
徐本は「熱利下重者」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。『札記』は「趙本
作重下、非」とする。 |
中-24a-2 |
此為膿内有癰膿 |
無名氏本・兪本も同。徐本は「此為腸内有癰膿」、趙本は「此為腹内有癰
膿」に作る。『述義』は「本草図経引云。張仲景治腹癰腹有膿者、薏苡仁附子敗醤湯」とする。 |
中-24a-5 |
(小便当下) |
徐本は大字の本文とする。他の諸本は鄧本に同じ。 |
中-24b-1 |
然当亡血 |
徐本は「然」を「法」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。 |
中-24b-4 |
王不留行散方 |
鄧本・無名氏本・趙本は「王不留行散方」六字を欠く。 |
中-26a-3 |
其人常自吐蚘 |
趙本も同。兪本・徐本は「常」を「當」に作る。『札記』は「趙本、當作
常、非」とする。 |
下-1a-12 |
為癥痼害□妊娠 |
無名氏本も同。兪本・徐本は空格がなく、詰めて刻す。趙本は空格を
「○」にあてる。この空格の捉え方によって断句が変わることになるが、『輯義』は「諸註害下為句。魏以害妊娠為一句、似是」とする。 |
下-1a-12 |
前三月経水利時胎 |
徐本は「胎」字下に「也」字あり。他の諸本は鄧本に同じ。 |
下-1b-13 |
乾地黄 |
諸本みな分量記載を欠く。徐本附遺は『和剤局方』収載の膠艾湯により
「乾地黄(四両)」とする。『札記』は「攷千金外台、作四両」とする。 |
下-3a-4 |
白朮 芎藭 牡蛎 |
諸本みな分量記載を欠く。徐本附遺は『和剤局方』収載の白朮散により
「白朮 芎藭(各四両)牡蠣(熬二両)」とする。『輯義』は「外台。白朮芎藭、各四分、牡蠣、二分」とする。 |
下-3a-4 |
蜀椒(三分汗) |
趙本も同。「汗」字、無名氏本・兪本は「汁」に作り、徐本は「去汗」に
作る。 |
下-4a-6 |
(亦主経水不利) |
他の諸本は大字の本文とする。 |
下-6a-1 |
如見鬼状者、此為熱入血室 |
鄧本は版木の摩耗により「者」が不鮮明。無名氏本・兪本は「者」を
「然」に作る。 |
下-6a-4 |
隨其実而取之 |
鄧本は版木の摩耗により「実」が不鮮明。無名氏本・兪本は「実」を
「仮」に作る。 |
下-6a-9 |
(咽中怗怗) |
趙本も同。他の諸本は「怗怗」を「帖帖」に作る。 |
下-6b-7 |
(見肺癰中) |
諸本みな同。『札記』は「按肺癰当作痰飲」とする。 |
下-7b-12 |
此為水与血并結在血室也 |
他の諸本は「并」を「倶」に作る。 |
下-8b-11 |
沢瀉 |
無名氏本・兪本も分量記載を欠く。徐本・趙本は「沢瀉(三両)」に作
る。 |
下-9b-1 |
雄黄 葶藶 |
諸本みな分量記載を欠く。『輯義』は「案本草綱目、二味等分」とし、
『述義』は「幼幼新書引、葶藶下有各少許三字」とする。 |
下-9b-2 |
取朧日猪脂鎔 |
諸本みな同。『輯義』は「案本草綱目、…、日作月」とする。『述義』は
「幼幼新書引、…、朧日作朧月、鎔上有和字」とする。 |
下-9b-5 |
証一条 |
兪本は「脉証一条」に作る。他の諸本は鄧本に同じ。 |
下-10a-1 |
再合滓 |
鄧本は版木の摩耗により「滓」が不鮮明。無名氏本・兪本は「滓」を欠
く。 |
下-11a-6 |
(有巴豆者) |
諸本みな細字双行とする。『札記』は「外台、四字為原文、肘後同」とす
る。 |
下-11a-12 |
狗屎一丸 |
諸本みな同。『幼幼新書』引「金匱要略」は「馬屎一圓」に作る。『輯
義』は「肘後用馬屎」とする。 |
下-11b-13 |
恐此当言陰気盛故也 |
趙本も同。他の諸本は「陰」を「忿」に作る。『札記』は「忿、趙本外台
作陰、為是」とする。 |
下-12b-7 |
(外台肘後目) |
徐本・趙本も同。無名氏本・兪本は「目」字なし。『輯義』は「目字、疑
是同字訛。兪本無目字、是」とする。 |
下-12b-10 |
(去皮尖、契) |
無名氏本・趙本も同。兪本・徐本は「契」を「熬」に作る。 |
下-12b-13 |
衣被覆、復斯須通利数行 |
無名氏本・趙本は「衣被盖、復斯須通利数行」に、兪本は「衣被盖、覆斯
須通利数行」に、徐本は「衣被蓋、覆斯須通利数行」に作る。 |
下-13b-12 |
脯臓朱甕 |
無名氏本も同。兪本・徐本・趙本は「朱」を「米」に作る。 |
下-15b-4 |
鹿人 |
諸本みな同。『輯義』は「今依徐程沈金鑑改」として「鹿肉」に作る。 |
下-18a-8 |
食楓柱菌、而哭不止 |
諸本みな同。『輯義』は「今拠程本金鑑改之」として「食楓樹菌、而笑不
止」に作る。 |
下-18b-8 |
時病差未健 |
他の諸本は「健」を「徤」に作る。 |
下-19a-2 |
蓴多病 |
諸本みな同。『輯義』は「食、原本、沈作病、非。今改之」として「蓴多
食」に作る。 |
下-19a-7 |
芥茱 |
他の諸本は「茱」を「菜」に作る。 |
下-19a-9 |
食躁式躁方 |
趙本も同。他の諸本は「式」を「或」に作る。 |