北京・中国科学院図書館(03年8月14日)
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 この日は梁永宣さんと一緒に、中国科学院図書館に訪書した。『中医図書聯合目録』が当館に明・趙開美『仲景全書』の所蔵を記すからである。本図書館は以前、王府井の奥にある美術館の付近にあったように思う。今は三環路の北西に移転して壮大な建物となっており、1階には喫茶店まである。下写真の古籍閲覧室は5階にあり、以前とはうって変わった明るく広い部屋。隣にはマイクロフィルム閲覧室もある。朱氏に書いてもらった中医研究院医史文献研究所の紹介状のせいか、応対もいたって事務的にスムースだった。

 左下写真は閲覧室内で、奥は梁氏、右の男性二人は韓国から調査に来ていた。ただし目当ての趙開美本はなく、所蔵本は寛文8年の和刻別構成『仲景全書』だった。ここの目録にはちゃんとそう記載されているのだが、けっきょく『中医図書聯合目録』のミス。こうしたことは実地調査しないと分からない。しかし余禄があり、『聯合目録』に未著録の『本草品彙精要』の所蔵に気づいた。26巻26冊の残欠本で、右下写真のように絵図は一切ない。比較的丁寧な清末・民国頃の筆写だが、伝存本では最下位になるだろう。当館が1954年7月16日に25元で購入した記入があり、当時の価格が分かって参考になる。