2001年8月5日夕食 チャーシュー便當
(台北中央研究院学術活動中心1Fの中餐廳にて購入、65元=約240円)
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 美味くて安いのは間違いないけど、もう相当に食べ飽きた宿舎食堂の弁当。部屋でこのおかずをツマミに一杯やりながら仕事の整理をし、ご飯は朝食にお茶漬けで消費するのが普通のパターン。変わり映えもしないので、原寸に近い大きさでドーンと出してしてみたがどうだろう。ちょっと画像が重いかな。

 さてメインのおかず、つまり主菜はご飯の上にのっているチャーシュー。日本のラーメンにのっているのとは、見た目からして違うのがご理解いただけるだろう。日本ラーメンのチャーシューの方が私は好きだが、中国(広東など南方)本来の叉焼(チャーシュウ)はこのように表面が赤く、テリがある。干し肉ほどではないが乾燥した食感があり、甘みが強い。

 材料は同じでも、日本のは基本的に醤油煮で、中国北方式の紅焼猪肉に近い。中国南方では漬け込むタレに食紅を使って肉を写真のように赤くするし、砂糖や蜂蜜をタップリいれる。しかも煮るのではなく、窯(今はオーブン)で本当に焼くのだから、あか光りして甘味と歯ごたえががある。もちろん酒肴としても問題は一切ない。

副菜:
 上左は古漬け瓜(具体的に何瓜かは不詳)を塩抜きし、細切り豚バラと炒めたもの

 下左は栽培きのこ(味・食感ともジメジに近い)の塩味炒め

 下中央はA菜の薄塩炒め(と書いたが、A菜ではなく、再確認したら小白菜と呼ぶものだった。A菜はサラダ菜くらいの丈で、緑と堅さがサラダ菜より強い別もの。このページを見た室賀伊都子氏のご教示によると、小白菜は日本で山東菜と呼ぶものらしいとのこと。01,8,25追記)。

 A菜は町中やスーパーでもこの表記で売っている。が、なぜ「A」と書くのか誰に訊いても知らないという。でも見た目・味・食感から、白菜や小松菜の親戚で、アブラナ科植物は間違いない。ある酒席でこれが出たので、一緒にいた歴史語言研究所の知人で甲骨文字学が専門の蔡氏に質問してみた。彼が言うには、背丈が低いので矮(音はai)菜と呼び、aiがei(A)に訛ったのでは、という。まゆ唾の気分もしないではないが、語源説は所詮まゆ唾ものだし、いま知る唯一の説につき、紹介して後考にまつ。

 ちなみに麺類等で腰がありシコシコしているのを、台湾語でキューキューと言い、「QQ」と書く。反復音の点からも擬態語などのオノマトペだが、私が質問した台湾人は誰も語源を知らないという。私は日本語のオノマトペ「キュー」っと絞まる、に由来しているのではと、ひそかに愚考しているのだが。

 下右はザーサイ千切りを塩抜きし、豚もつ千切りと炒めたもの。これは予想外の組み合わせだったが、双方の歯ごたえが相乗し、酒菜(サカナと訓む)にはもってこいだった。帰国したら作って友人達に一杯ごちそうしてみたい。