−2.慢性B型肝炎のGWAS

 

B型肝炎ウイルス(HBV)はウイルス性肝炎の原因としては最多で、世界中で4億人がウイルスに持続感染している。HBV感染後の経過は個人差が大きく、ウイルス感染者の大部分は成人期に無症候性キャリアとなり肝炎を発症しないが、10-20%程度の患者では慢性肝炎を発症し、さらにその一部において致死的な肝硬変や肝細胞癌を発症する。我々は世界で初めて慢性B型肝炎に対するゲノムワイド関連解析を行い、HLA-DPA1,HLA-DPB1遺伝子上のSNPが慢性B型肝炎の発症と強い関連を示すことを明らかとした(図716。さらに、HLA-DPの抗原提示部位の多型が慢性B型肝炎と強い関連を示したことより、ウイルスに対する免疫応答の違いが疾患の発症に関与していると示唆された(図8)。
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