研究背景

高齢化に伴い癌患者の数も年々増加傾向にあり、現在2人に1人は癌に罹患し、3人に1人は癌で死亡する時代を迎えつつあります。癌は環境因子(どの様な生活を送ったか)と遺伝因子(生まれつきの体質)の複雑な相互作用によって発症しますが、これまでの疫学研究である種の感染症やタバコ、アルコールなどの環境因子が発癌に関与する事が明らかになっています。一方、発癌に関わる遺伝因子についてはまだ未知の部分が多く、我々はこのような遺伝因子に注目して研究を行なっています。

発癌リスクを高める遺伝因子について、その一般集団における頻度と相対危険度(どの程度発癌リスクを高めるか)を調べると、大きく2グループに別れます。

(1)癌抑制遺伝子:危険因子を持つ人の割合は少ないが、持っている人は高い確率で癌を発症する。

(2)疾患感樹性遺伝子:リスクの効果は1.1-1.5倍程度と高くはないが、リスク因子を持っている人の割合が多く、集団全体で見ると寄与度が高い遺伝因子。

未知の癌抑制遺伝子及び疾患感樹性遺伝子を同定し、その癌化における役割を解明することが、有効な治療法の確立や予防・早期発見につながると考え、現在研究を進めています。

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