虐待の背景

>「事故や近隣への迷惑を防ぐためだった」と説明。虐待との意識はなかったという。
ここが重要と思います。後で事件を知った第三者からは「監禁」「犯罪」としか思えないのですが、当事者達は、「地域社会の秩序を守る適切な処遇」と考えたからこそ、こういう行動に走ったのであり、犯罪と自覚していたら決してこんなことはしなかったでしょう。何しろ「単独犯」ではなく、計7人の介護職員が「業務」として施錠を続けていたのですから。

虐待をする多くの親は本気で「しつけ」と思っています。認知症高齢者に対して虐待をする介護職員も同様に「他の利用者や職員に迷惑を掛けて組織の秩序を乱す利用者に対する教育的配慮」と、「自分を騙して」虐待に走るのであって、決して傷害事件とは思っていないのです。
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【兵庫】認知症高齢者の自宅玄関を外から施錠 介護事業所を処分 朝日新聞 2013/6/4

 【宮武努】マンションに住む認知症の高齢者を徘徊(はいかい)させないため、ヘルパーらがチェーンキーで外から施錠したのは虐待にあたるとして、神戸市は3日、北区の2事業所に対し、営業停止にあたる6カ月間の指定効力停止処分を決めた。処分は8月1日から。厚労省によると「施設内の身体拘束が行き過ぎるケースは時々聞くが、訪問介護で自宅を外から施錠したケースはあまり聞いたことがない」という。
 処分を受けたのは、居宅介護支援事業所「セントケア北六甲」と訪問介護事業所「あじさいのもり神戸」。
 市によると、昨年8月10日ごろ、同区のマンションに住む90代の認知症の男性を徘徊させないため、担当するケアマネジャーとヘルパーが本人や親類の了解を得ずにドアノブと横の格子をひもで縛った。男性がひもを包丁で切ったため、同21日に同じヘルパーがチェーンキーでドアノブを施錠。計7人のヘルパーが介護に訪れるたびに施錠を続けた。80代の妻は足が不自由で、11月下旬に訪ねてきた知人が市に連絡し、発覚した。
 市の調査に対し、ヘルパーらは「事故や近隣への迷惑を防ぐためだった」と説明。虐待との意識はなかったという。
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