(読売新聞) - 2006年7月11日
蘇峰「未公開日記」で昭和天皇の戦時姿勢を批判

 戦前の言論界の重鎮で、国粋主義の立場から戦争を鼓吹した評論家の徳富蘇峰(1863〜1957)が終戦直後に残した未公開日記の内容が10日までに明 らかになった。

昭和天皇の「敗戦責任」を問うなど国家主義者としての一徹ぶりが随所にうかがえる内容で、21日に講談社から刊行される「徳富蘇峰 終戦後日記」で一部が 公開される。「頑蘇(がんそ)夢物語」と題した日記の日付は終戦3日後の1945年8月18日から47年7月2日まで。 秘書による口述筆記で、B5判の 和紙に1ページ原則22字12行で書き込まれ、計3918ページに及ぶ。その存在は研究者の間では知られていたが、今回の出版は遺族の承諾を得て初めて実 現。14分冊のうち46年1月13日までの記載がある最初の5冊が公開される。

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