追加接種先進国におけるADE/OASの検討 第2報
台湾におけるADE/OAS
今回の検討の目的とその背景

前回の第1報では、オミクロン株流行以前の単位人口あたりの死亡数が日本よりも低く、かつ高いワクチン追加接種率を達成したシンガポール、韓国、オーストラリア、ニュージーランドと日本の5ヶ国の国際比較検討を行いました。その結果、本来弱毒株であるはずのオミクロン株流行下で、COVID-19による急激な死亡の増加が日本以外の4ヶ国で観察されました。

その死亡増加と各国の追加接種の経過を検討したところ、
新型コロナワクチンによるADE/OAS(抗原原罪 original antigenic sin)が原因である可能性が極めて高いことが示されました。一方、前回の検討を行った2022年4月の時点では、やはりCOVID-19による死亡が極めて少なかった台湾ではオミクロン株はまだ流行していませんでした。今回はその台湾におけるオミクロン株大流行を受けての続報です。

結果

対象と方法については前回の第1報を御覧ください。今回はそれに台湾が加わっただけです。前回同様、エクセルシートもダウンロードできるようにしておきました。シートからはworldometerの各国のページにリンクが貼ってありますから、御覧になっている時点のデータを見るのに便利です。

2022年4月7日の時点では、台湾のみがベースラインである21年9月16日時点と同様の死亡数/100万に留まる一方、日本では70%の上昇(1.7倍)、他の4ヶ国ではシンガポールの21.9倍を筆頭に最低のオーストリアでも5.5倍となっていました。

その台湾でも4月半ばからオミクロン株の大流行が始まりました(Worldometer Taiwan)。22年5月29日の検査陽性者数は76539人(フォーカス台湾 2022/05/29 16:45)。

日本の人口は台湾の5.25倍ですから、日本に換算すると40万人/日です。日本での一日の最多検査陽性者数は2月半ばの10万人余りでしたから、40万人は日本での最多値の4倍となります。また同日の死者数は145人で日本に換算すると760人で、日本で最多だった272人(2022年2月22日)の2.8倍です。死亡数は検査陽性者数のピークよりも2週間ほど遅れますから台湾での死者数はまだまだ増えます。

次に追加接種率の経過を見ると、接種開始時期は日本とほぼ同様ですが、日本での流行がピークだった2月9日の時点で既に26%、それに対して日本は10%でした。さらにオミクロン株の流行が始まった4月半ばには54.6%と、日本(50.6%)はもちろん、ニュージーランド(51.6%)、オーストラリア(51.4%)をも上回っていました。

そして問題の流行ピーク時の追加接種率です。流行真っ最中の今(22年5月末)の台湾のピークがいつになるのかはわかりませんが、そんなこと関係ありません。もはや取り返しのつかないところまで追加接種が進んでしまっているのです。5月24日で63.7%。前回の検討で閾値とした40%を優に超えています(前回の検討結果)

台湾の追加接種率が40%を超えたのは22年2月25日(40.1%)であり、この時既にADE/OASの準備状態に入っていたのです。

結語台湾も例外どころかADE/OASの典型例だった
発症(感染)予防効果がないのに重症化予防効果をでっち上げて、追加接種をどんどん推進したら死亡がどんどん増えた。それは紛う事なきADE/OASでした。それを裏付ける証拠はADEが起こらなかった、バングラデシュパキスタンガーナナイジェリアエチオピアといった国々の死者数の推移のグラフを御覧ください。

そしてそれらの国々の接種率を、かつての感染コントロール優等生国のそれとを比べてみてください→追加接種率の比較台湾でも、追加接種さえしなければADE/OASは阻止できていました。新型コロナ流行コントロールの世界最優等生として賞賛されてきた台湾でADE/OASが見られなかったのも、単にオミクロンの流行が遅れてやってきただけだったからなのです。

一方、追加接種率世界最低クラスのどの国でも、オミクロン株流行時の死者数は、それ以前の流行よりもずっと少なくなっています。そして今度は同じ国の検査陽性者数のピークを見てください。バングラデシュパキスタンガーナナイジェリアエチオピア どうです、それまでの流行よりオミクロンのピークが一番高くなっているでしょう。

つまり、オミクロンは急にやってきて、ほんの一時期大流行するけれども直ぐに終わった。そして死者数はこれまでの波よりずっと少なかった。追加接種をやりさえしなければ、オミクロンは本来の姿である、「ただのコロ」として去って行ったのです。

自然免疫とワクチンの有効性比較
自然免疫とワクチンのどちらがお得か?なんて、わざわざ苦労して研究して原稿を書く必要なんかなかったのです(コロナ自然免疫とワクチンの比較)。-90度のコールドチェーンなんて永久に期待できないから、せっかくもらったワクチンも棄てるしかなかった国。そんな国では追加接種はおろか2回接種さえ満足にできなかった。だから自然免疫に全面的に依存するしかなかった。そんな国でコロナがどうなったか。それをちょこちょこっとネットで調べれば、自然免疫とワクチンのどちらがお得か?なんて直ぐにわかることでした。

台湾のADEに学ぶ
追加接種先進国におけるADEの検討 第1報
新コロバブルの物語
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